コロナ禍での販売機会創出、八神純子氏も「翼」で応援メッセージ=第22回シーフードショー

 

 

大日本水産会の白須敏朗会長

 

■今回はコンパクト開催となったが・・・

 

国内最大級の水産見本市「第22回ジャパンインターナショナルシーフードショー」(大日本水産会主催)が9月30日(水)から10月2日(金)、東京ビッグサイト南展示棟で開かれた。

国内外の大半の展示会が中止になる中、販促機会を逸した中小企業を中心に開催要望が強く、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を徹底することで何とか開催にこぎ着けた。

出展者の規模も今回は300社427小間と昨年の835社1408小間に比べ大きく減った。それでも300社が出展し、コンパクトな開催ながら、様々な視点から注目が集まった。

海外からの出展・参加も今回は18カ国・地域と昨年の20カ国・地域から減った。しかし従来のブース出展に限らず、新たに「エージェント出展サービス」(代行出展)や「ⓔ-sefood show」(オンライン出展)を新設し、全世界からのリモート出展等による新たな商談機会を提供した。

従来からのブース出展はドイツ、アイルランド、ノルウェー、ペルー、韓国、アメリカ。エージェント参加は中国、オンライン出展はオーストラリア、カナダ、フィジー、インド、マレーシア、マーシャル諸島、ミクロネシア、オマーン、パプアニューギニア、サモア、トンガの11カ国に上った。

大日本水産会の白須敏朗会長は開会式で、「コロナということで例年とは様変わりな状況の中での開催となった。中小の水産関係者から是非開催してほしいという強い気持ちをもらって開催の運びとなった。新型コロナウイルスの影響によって水産商品が多量に消費される外食業が大きく落ち込んでおり、インバウンド需要も激減した。魚価も高級魚を中心に5割以上ダウンした」と指摘。

「是非販促機会を作ってもらいたい。その中で販売先を見つけるチャンスを与えてもらいたいとの業界の声に応えることこそ業界全体の将来の発展につながるものである」と述べた。

 

入場口にはオゾンによる殺菌装置「オゾンdeバリア」を設置

 

■栄養豊富な食材や高級「トラフグ」も

 

本開催ではコロナ時代を乗り切る栄養豊富な水産食材を紹介し、新たな需要獲得を目指した。三陸オーシャンが三陸殻付きボイルほやを提供したほか、広島魚市場が広島産大粒かきむき身、フードキャッチが痛風鍋セットを考案したほか、道中はとらふぐ入りあかもくキムチを、北彩漁業生産組合は海峡サーモン、ヤマモト食品はあかもくを出展した。

また簡便で栄養豊富な水産物はコロナ時代に欠かせないメニュー。消費者ニーズの高まりを受け、手軽に調理・容易に食べられる水産物が登場し、更なる漁食普及の拡大に取り組む。

さらには年末年始商戦で主役となる冬の味覚「フグ」。フグを扱う国内の水産事業者8社が集う「フグストリート」が登場した。withコロナ時代のフグをテーマに、刺身・練り製品・珍味のほか、幅広い種類の加工品を展開し、「フグ」の魅力を発信した。

 

出展者を代表して極洋の井上誠社長

 

■極洋、養殖魚の供給力強化

 

極洋(東京都港区赤坂)の井上誠社長は出展者を代表してあいさつし、「われわれの持つ技術力、情報力、魂を込めた商品をシーフードショーを通して世界や日本の得意先へお届けしたい」と述べた。

同社は「コロナ禍で各種展示会が中止になり、魚自体の露出が減っている。魚離れが指摘されている中、出展を通じ、水産業界を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

「黒潮の極 真鯛」を提案した極洋

 

極洋は昨年9月、真鯛などを養殖するクロシオ水産(高知県大月町)を子会社化した。養殖魚についても供給力を強めており、今回はクロシオ水産が提供するクロマグロ、マダイを中心に、ハマチやシマアジなどをアピールした。

今回初提案した新商品の「黒潮の極 真鯛」は、宿毛湾・泊浦に流れ込んだ黒潮の分流を利用して育てた真鯛。ブランド展開し拡販を図る。

 

シンガーソングライターの八神純子氏が「翼」で応援メッセージ

 

出展者代表の極東の井上誠社長は八神純子さんと同年生まれだという。彼は今朝まで八神純子さんが会場にやってきて「生ウタ」を聞けると喜んでいたという。「パープルタウン」でヒットを飛ばした歌手だが、実は私も直前まで彼女の生ウタを期待していた。

それがビデオメッセージと知って悲しかったが、現下の状況である。やむを得まい。「翼」は2011年3月11日に起こった東日本大震災の被災地を思って書いた曲。頑張っている人を応援する歌だという。

 

 

■八神さんが「翼」でビデオ出演

 

八神さんは冒頭、大日本水産会との出会いについて語った。彼女は東日本大震災後から東北支援のために歌を歌って被災者を励まそうと活動をスタートし、漁港などで歌ってきたが、「そのミニコンサートに参加していた大日本水産会が私への感謝状をくださることになり、そこで初めて大日本水産会と出会いがあった」と明かした。

また「毎年12月に開かれる水産功労者表彰式にも参加させていただくことになり、同じ場所で同じ顔で、その年に頑張られた水産業者の方と大切な時間を持ち、そこで歌うこともずっとやらせてもらっています」と関係が密であることを明らかにした。

「その場所で皆さんおめでとうございます。これからも頑張っていきましょうという思いを込めて歌ってきた曲です。翼をお送りします」

「人は翼を持って生まれます。忙しい日々に追われる中でいつしかそのことを忘れてしまうのではないでしょうか。今私たちにできること、それはそれぞれの翼を思い出してそれぞれが思い切り輝くことだと思います」

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