もらって嬉し、金沢銘菓「加賀志きし」は「加藤晧陽堂」の煎餅菓子

 

加賀志きし

 

同上

 

昨年金沢に旅行した2男ファミリーから金沢の和菓子が送られてきた。しばらく仏さんに上がっていたが、本日解禁となって私の口に入った。どういうわけか金沢市内を車で走ったことはあるものの、金沢駅についてはまるで記憶がない。

同じ石川県でも能登半島の七尾や和倉温泉、さらには小松空港や片山津温泉、山代温泉、山中温泉は覚えているにもかかわらず、金沢にはきちんとした足跡がない。やはり行ったことがないのかもしれない。富山市や福井市などは知っている。

土地にはついては知らないながら、知識はそれなりにある。金沢と言えば、北陸の雄都である。前田百万石の城下町である。犀川と浅の川の2つの清流は森の都を生み、今も昔の城下町の面影を残して心の故郷と言われているとか。

送られてきたのは銘菓「加賀志きし」だった。「加藤晧陽堂」(かとうこうようどう、金沢市二口町)。この加賀志きしは糯米(餅米)を精製加工した煎餅(せんべい)に極上砂糖を化粧引きし、四季とりどりの花鳥風月の図案を付け、その優雅さとほのかな和三盆糖が口に溶け込み、淡泊な風味は美術工芸いしかわにふさわしい銘菓として広くご利用されていると案内パンフに書かれている。

 

舞づる(上)

 

小さな三角形を鶴の姿に模した加賀伝統のお菓子を「舞づる」という。口に含むと、生姜風味がピリッときいた砂糖が溶けていき、皮はあくまでも薄くパリッとしている。手作りで手間暇をかけた芸術品だ。ピンクと白の菓子は人生の門出にも最適かもしれない。

金沢にはほかに甘納豆のかわむら、「長正殿」の森八本店、栗蒸し羊羹の松葉屋、きんつばの中田屋、あんころが有名な圓八、黒糖ふくさ餅の村上、じろ飴の俵屋もある。とにかく多彩だ。

愛知県も和菓子で有名だ。尾張名古屋は茶人の地である。老舗が多いのも目立つ。川口屋、美濃忠、むらさきや、両口屋是清、わらび餅の芳光、薄皮酒まんじゅうで名高い「納屋橋饅頭」の万松庵、青柳ういろうの青柳総本家など多彩だ。

 

ところで菓子折の紙に面白い歌が書かれていた。謡曲「鶴亀」の一説だという。「鶴亀」は能の現行演目の中では最も短いもので、初心者向きの入門曲として知られているという。

庭の砂(いさご)は金銀の、庭の砂は金銀の
玉(たま)をつらねて敷妙(しきたえ)の、
五百重(いおえ)の錦や瑠璃の扉(とぼそ)
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昔、唐の都ではお正月に季節の変わり目の祝祭を官職や民を交えて行ったとのこと。その時、鶴と亀がその場に現れ、皇帝の長寿をお祝いし、舞いを舞った。その光景が能の一節になっている。

 

 

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