【散歩】都市化と宅地化が進む中、主要生産物も「大根」から「キャベツ」へ変貌した練馬

 

キャベツの碑

 

■「大根」から「キャベツ」へ

 

石神井公園まで散歩に行った折りに見つけたのがこの「キャベツの碑」。JA東京あおば(練馬区高松5)石神井支店の駐車場と石神井川の間にある。

そばに「東京ふるさと野菜救急事業25周年を記念し、練馬区の特産物キャベツを後世に伝え、生産者の労をたたえるため建立したもの」との「キャベツの碑」のいわれが記してある。

練馬区と言えば「練馬大根」が有名だが、大根は大干ばつや病害により栽培が衰退しており、代わって生産量が増えたのがキャベツだ。東京のキャベツと言えば、練馬および保谷を中心とした西東京市が2大産地である。

練馬区は東京都北西部に位置し、面積は48平方キロメートル。人口は約72万人。年間平均気温は15.5度と温暖な地域で、都内特別区内(23区)で一番農地が多い。隣接する西東京市は旧保谷市と旧田無市が2001年(平成13年)に合併して誕生した。

面積は16平方キロメートル、人口は約20万人で、気温は練馬区と同レベルである。

野菜情報2014年5月号によると、練馬区は、江戸時代から生産が始まった「たくあん大根」の原料として「練馬大根」が有名だった。関東ローム層という赤土層で、根菜類の栽培に適しており、練馬大根は昭和期に入っても順調に生産を伸ばしてきた。

しかし、その後の生産拡大とともに、相次ぐ連作障害やウイルス病の発生により、生産継続は困難な状況となり、昭和8年(1933年)ごろにはほぼ全滅したとされる。

大根の代わりに代替作物として生産が始まったのがキャベツだった。区内のキャベツ生産は戦後飛躍的に面積を拡大し、練馬区はかねてのだいこん産地からキャベツ産地に変貌していった。

昭和25年(1950年)ごろより現在の年2作体制(初夏産、秋冬産)が定着し、栽培期の若干の変動はあったものの、現在とほぼ同じ生産出荷体系が確立したといわれる。

しかし、戦後の高度経済成長は、都市化と宅地化の進展で農地が大幅に減少し、生産減につながった。私が練馬区高松の現住所に越してきたのは25年前。当時はまだ農地が多くあったが、わが家も含めて相次いで姿を消し、東京産キャベツは行方不明だ。

ちなみに春日町には「練馬大根碑」があるようだが、まだ見ていない。

 

こんなところ(石神井町)にロウバイ?

 

■石神井川添いで「ロウバイ」に遭遇?

 

石神井川添いに沿って歩いていたら、ロウバイに遭遇した!?紅・白梅はあちこちで見掛けるが、ロウバイは珍しいとびっくりした。そのときはロウバイだと思ったが、家人によると、ヒュウガミズキではないかという。そういわれればそんなに密に咲いていない。

ヒュウガミズキは梅よりも早く黄色い色を示すという。図鑑などを見ると、あんまり花と花の間がそれほど密集していない。どうも詳しいことは分からない。

以下の写真は昨年2月1日に「長瀞宝登山臘梅園」(埼玉県秩父郡長瀞町)に行った時のものだ。宝登山(ほどさん、497.1m)にロープウェーで5分間の空中散歩を楽しんでロウバイ園を散策した。

やはり密集度が違うように思える。

 

宝登山のロウバイ園(2020年2月1日)

 

3種類のロウバイが見頃だった。満月臘梅が満開、和臘梅も満開で、素心臘梅は3分咲きだった。回りはロウバイの甘い香りが漂い、酔いそうだった。

新型コロナウイルスさえなければ、今年ももう行っていたはずだ。コロナは自宅待機を強いている。

【追加】3月9日に豊島園庭の湯に行ったが、庭に何本もロウバイのような黄色い花が咲いていた。3月だからロウバイでないのは確かで、「トサミズキ」の木札が付いていた。トサミズキのほうが花が大きくて、その花もいくつか重なり合っている。

 

石神井川添いの道

 

黄水仙(キスイセン)

 

ラッパ水仙だと思ったら、キスイセン(黄水仙)だった。南田中団地の庭に咲いていた。ヒガンバナ科の多年草。南ヨーロッパ原産で、江戸末期に渡来。庭園などに植える。日本水仙とも呼ぶらしい。

 

ソメイヨシノの木肌

 

■ソメイヨシノの寿命は60年?

 

そんなに知られていないが、石神井川添いにはソメイヨシノが何百本と植えられている。春になると、見事な桜並木になる。目黒川なども含め、日本国内にはこんなところが多い。

そんな中で最近、ソメイヨシノのピンチが目立ち始めているという。戦後の高度成長期にほぼ一斉に植えられて50~60年が経ち、老木化しているからだ。

接ぎ木で植えられるソメイヨシノは成長が早いので有名だ。しかし、ヤマザクラより細菌などには弱い。寿命については諸説あるが、何も対策を取らなかった場合、ソメイヨシノの寿命は「60年」というのが一般的らしい。

しかし、寿命に関係なく、枝を切った部分から菌が入ると内部の養分を吸い取られてしまう。東京都国立市の桜並木で2011年、樹齢50年の桜が倒れ、車2台を直撃したことがあったが、中にはキノコがびっしり生えた桜もあったという。

キノコが出た状態では中がスカスカになっているという。それでも花は咲くので、外見では分からない。桜の花は美しい。しかし、寿命60年で倒れるものも出てくるならば、桜のそばで愛でるのは結構危険なことかもしれない。

それにしても桜の老木と若木の肌つやの違いは何と違うものか。シミの浮きだし始めた老人の肌は見るのもおぞましいが、若者のキメの細かいピチピチした肌の何と輝かしいことか。

何とも歳は取りたくないものである。

 

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