【山梨ドライブ】フレンチ・ほうとうを味わい、ハーブ庭園ではチューリップが花盛り
■絶品のフレンチを楽しむ展望ワインレストラン
「勝沼ぶどうの丘」は甲州市営施設。バーベキューガーデンなどもあるが、何と言っても眺望が自慢の展望ワインレストランがすばらしい。ホテルとは別の会計で独自に夕食を提供している。
勝沼コース(税込5500円)と甲州コース(同3850円)があってリーズナブルな価格設定がうれしい。甲州は鮮魚と鶏のどちらかを選ぶコースだったので鮮魚を選んだ。
山梨にもブランド牛がいた。甲州ワインビーフと呼ぶらしい。シェフが腕を振るった料理は絶品だった。ワインはグレイス甲州を味わった。ワインに飽きた2日目はビールが飲みたかった。窓の外のきらめく夜景も素敵だった。
施設の中にぶどうの丘温泉「天空の湯」がある。美人の湯と評判らしい高アルカリ天然泉だが、ここは別名「風の丘」だと地元の人が教えてくれた。「何もないからね」。「今日は黄砂がひどくてよく見えないが、普段はもっと透き通っているよ」
それにしてもあの料理はカロリーが高すぎるのではないか!!自分が糖尿病患者であることをすっかり忘れていた。桑原、桑原・・・
■圧巻のハーブ庭園は無料
「ハーブ庭園旅日記」勝沼庭園(甲州市勝沼町等々力)はハーブを一年中楽しめる1万坪の大庭園。しかも、入場無料、駐車場無料である。ハーブ以外にも春はチューリップや菜の花、初夏はバラや紫陽花、夏はひまわり、秋はコスモス、さらに冬は胡蝶蘭やシクラメンが咲き誇るテーマガーデンだ。
経営するのは英雅堂グループ(志村忠良代表、本社・山梨県笛吹市石和町)。1960年(昭和35)3月創業。英雅堂の志村忠良社長がグループ3社(ほかに日食、旅日記)の代表を務めている。
宝石には貴石と半貴石がある。貴石というのは4大宝石(ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド)のことで、半貴石はそれ以外の宝石のことを指す。この捉え方は西洋の伝統的な考えにのっとったものだ。
ヒスイ、オパール、アレキサンドライトを貴石に加える考え方もある。そうなると、その7貴石以外の宝石は「半貴石」ということになる。国境を超えても、専門をたがえても、ほとんどの人が「これは貴石だ」と捉えている4貴石は不動の宝石だ。
英雅堂はこの貴石・半貴石製品の製造販売・輸出入を始め、その後レストランや物産販売、宝石博物館などを手掛け、1996年1月に勝沼にハーブ庭園を開園した。一度行ったことのあるやまなしフルーツ温泉「ぷくぷく」の指定管理者も務めていることを知った。
これはどういうビジネスモデルなのだろうか。何でもうけるのだろうか。ショップやカフェ、フラワーショップなどもあったが、それにしても惜しげもない無料開放だった。日本国内にもお金のある人がいるものだと思った。
ちなみに同グループは山梨県南都留郡富士河口湖町に勝沼庭園の姉妹店「ハーブ庭園旅日記富士河口湖庭園」を開店している。いよいよ分からなくなってきた。
■「ほうとう」より「甲州野梅」が気になって
山梨最後の食事はやはり名物郷土料理「ほうとう」にした。「慶千庵」(甲州市勝沼町勝沼)。季節の野菜を入れたほうとうと季節のご飯、小鉢、香の物、デザートの付いたセット料理だ。1600円+税。
座敷席のほか、廊下にもテーブル席が設けられ、そちらに案内された。外の庭を眺めながらゆっくりといただいた。門構えに誘われて入ってしまった。庭もかなり広く、どうもそちらに関心がとられた。
ほうとうは山梨県民のソウルフード。小麦粉を練った太めの平打ち麺をかぼちゃや根菜、きのこなどの野菜やお肉と一緒に味噌仕立てのだしで煮込む素朴な料理。とろみのある汁がモチモチの麺によく絡み、アツアツをふうふうしながら食べるのが最高らしい。
ほうとう鍋は簡単に作れて栄養価も高く、消化にもいいことから、戦国時代には、武田信玄が野戦食として用いたとも伝えられている。具材に絶対欠かせないのがかぼちゃで、地元では「かぼちゃほうとう」が一番人気だとか。
庭が素敵で、そこにある巨木に「甲州野梅」(こうしゅうやばい)という名前が付けてあった。普通の梅は接ぎ木して1年で花が咲くが、甲州野梅は20年以上経たないと花が咲かないといわれ、「梅の中の王者」とその貫禄振りが称賛されているらしい。
「梅は甲州野梅をもって最上となす」と台詞もあるようだ。この巨木がどうもそうだという。いろんなところに行くと面白いものに遭遇する。これがたまらない。そのために行くようなものである。