【コンサート】バラに囲まれながら歌とフルートの調べに耳を傾けフラダンスも楽しんだ「四季の香ローズガーデン」

 

ローズガーデンコンサート

 

同上

 

■日大音楽学科の皆さんがコンサート

 

バラの美しい季節にローズガーデンコンサートが5月15日(日)、「四季の香ローズガーデン」(練馬区光が丘)で開かれた。近隣から大勢の観客が集まった。歌とフルートとピアノの美しい音色が園内を彩った。

このところ天気が不安定だったが、この日はやや明るい曇り空で、何とか予定通り「色彩のローズガーデン」で行うことができたので良かった。むせかえるようなバラの香りの中で、美しい音を聞くことができたのは幸せと言わずして何と言うべきか。

周辺は光が丘駅を中心とした団地の街。1983年(昭和58)に「光が丘パークタウン」として第1次入居が始まった東京都区部最大の巨大団地群。総戸数1万2000戸を擁する全く新しい街だが、40年経って中心部は空洞化・人口減少が進んでいるのも事実。

ただ高齢化で中心部の人口減少は進んでいるものの、一方で周辺部には一戸建て住宅がめきめき、にょろにょろ立ち並び、地元の地主さんの相続に伴う土地売却は続いている。これまで1戸が建っていた家が売却価格との兼ね合いで2戸になるわけだ。そんな家が急増している。

この日演奏したのは日本大学芸術学部音楽学科の皆さん。日大芸術学部音楽学科は写真、映画、美術、音楽、文芸、演劇、放送、デザインの8学科からなる芸術総合学部の1つ。

「技術だけでなく、豊かな人間性を備えてこそ一流の演奏家、音楽家であるという考えのもと、一人ひとりの人間性を重視し、教員と学生同士の温かい触れ合いの中に音楽の調和の精神を育てることが、私達のテーマ」としている。

 

手前が「色彩のローズガーデン」、奥は「香りのハーブガーデン」,手前に「香りのローズガーデン」がある

 

 

■やはり圧倒的な春バラ

 

四季の香ローズガーデン(練馬区光が丘5)は約1万4000平方メートルの広さに「香りのローズガーデン」(約770平方メートル、バラ約180品種200株)、「色彩のローズガーデン」(約1080平方メートル、バラ約140品種260株)、「香りのハーブガーデン」(約770平方メートル、ハーブ約150品種990株)の3つのガーデンと講習棟(花とみどりの相談コーナー、講習室)などを完備した練馬区立のガーデン。

バラの香りをテーマとした日本でも珍しいガーデンで、ダマスク、ティー、フルーティー、ブルー、スパイシー、ミルラの6種類のバラの香りを文字通り鼻でかぐことができる。

どの人もバラの香りを鼻でかぎ、こんなに対象(バラ)と人間が接近できることの喜びを味わえるところはないのではないかと幸せそうだ。国内にバラ園はたくさんあるが、どこも囲いがしてあり、どうもよそよそしい感じだ。ここではそれがないのだ。

当ローズガーデンは、光が丘の街中のガーデンとして2016年に開園。まだイタリア式庭園やフランス式庭園、スペイン式庭園もあった。色彩のローズガーデンと香りのハーブガーデンを改修し、2021年5月1日にリニューアルオープンした。

ところが新型コロナウイルス感染拡大の影響で開園即休園に追い込まれた。2021年5月4日のブログでは庭には鍵が掛けられ入園者は全員シャットアウトと極めて無粋なことになったと嘆いている。

同時にNHKが7日の「あさイチ」番組で放送した「バラの魅力にハマりたい!」の内容も紹介している。園芸研究家の村上敏氏によると、「今年は史上最速のスピードで咲いてきてそこら中バラだらけ。今年はバラの当たり年」だという。

バラがメインのガーデンだが、バラ以外にも4月は園内チューリップだらけとチューリップが見事に咲いたほか、6月はユリとアジサイが見事なコラボレーションを見せた。これには感激した。

昨年は10月が秋バラの見頃に合わせて「オータムフェスティバル」(2021年11月1日)が開かれた。春バラに比べ秋バラの花数はグーンと減るのは仕方がない。しかし秋バラには秋バラの楽しみ方があるともいわれる。味わい方が問われているのかもしれない。

 

フラダンス

 

同上

 

同上

 

■バラに囲まれてフラコンサート

 

夜中まで雨が降っていたのに、5月22日(日)は打って変わって好天気に恵まれた。東京都練馬区は午前11時には21度と20度台に上昇、15時には25.3度が最高気温となった。照りつける日差しは暑かったが、時折風もあって気分はそれほど悪くなかった。

香りのローズガーデンでは午前と午後にロケラニ・フラコンサートが開かれた。午後のコンサートを観覧した。バラをモチーフにした曲をはじめ、美しいラブソングなど、のどかなメロディーに癒やされた。ウクライナの人たちにも聴かせてやりたかった。

それも真っ盛りのバラに囲まれながら、クネクネとゆったりと全身を動かし踊りの花を咲かせるフラダンス。なかなか見られるものではない。しかも踊り手は芝生の上とはいえ裸足である。優雅に踊っているものの、暑かったのではないか。

アロハ・プログラムによると、ロケラニとはダマスクローズの名で知られるバラのこと。数あるバラの中でも香りが高く、虫害に強い品種とされる。ハワイには1820年代に導入され広まった。ハワイでは特に濃いピンクの八重咲きを「ロケラニ(天国のバラ)」と呼ぶという。今日ではダマスクローズに限らず、濃いピンクの品種を総称してロケラニと呼んでいるとか。

ハワイの言葉は分からないが、ハワイアンは何となくふにゃふにゃと心地よさそうな音楽だ。フラコンサートの頭に「MELE MEI」(メレ・メイ=5月の音楽)と名乗っている。

「マラマハワイ」(ハワイを思いやる心)によれば、メレはハワイ語で音楽という意味。5月を通してワイキキを中心に、ハワイ各地でコンサートやフラショー、ワークショップなどが開催されるという。5月は世界各地からハワイアン・ミュージックのファンがハワイに詰めかけ、みんなで盛り上がるらしい。今回のフラコンサートもその一環と言っているようだ。

 

ピンクノックアウト

 

■ピンクノックアウトがやってきた!

 

22日の午前10時から「初心者から始める鉢バラの育て方講座」が行われ受講した。春のバラフェスティバルの一環で、運営している三井不動産グループの「第一園芸みどりのまち共同事業体」のチーフガーデナーが講義を行った。

受付は午前9時30分から。私が行ったのは9時40分。座席は28席が用意され、自分の気にいったバラの席に座る方式だった。人気のバラは早い物勝ちで、既にほとんどが席に着いていた。残っていたピックノックアウトの席に座った。

席に置かれていたのは「新苗」(しんなえ)。バラの台木に接ぎ木をして春に新芽が出たもの。ビニールポットに入って売られる小さな苗のことをいう。これから株を育てていくいわば「赤ちゃん苗」でもある。

新苗は小さなビニールポットに入っているので、受講2日目の24日(火)にマツモトキヨシ練馬春日町店に行き7号鉢を買ってきた。あんまり大きな鉢に植え付けてしまうと、鉢の中が過湿になり根腐れの原因になるという。「一回り大きな鉢」に植え付ける。

 

 

7号鉢に植え替えた

 

■面倒くさいからこそ園芸

 

最大のショックは咲いている花を取ることだ。せっかく綺麗に咲いている花を取るのは忍びないが、講師の厳命だ。植え付け後の管理は必要だ。最初の年は花を咲かせず、株を大きくする、花芽が付き次第つぼみは指で摘み取る。「花芽かき」という作業だ。

花芽かきを行うのは株を大きくするためだ。株を大きくするために花を咲かせない。花芽が付き次第つぼみは指で摘み取ることを8月いっぱい行う。9月、10月になると開花してくる。

大体気温14度くらいになるとバラの成長は止まる。そのままにしておく。

園芸は結構面倒くさいことが多い。しかしチーフガーデナー氏によると、「面倒くさいからこそ園芸」だという。ガーデニングほど面倒くさいものはないかもしれないが、人間関係ほど面倒くさくはない。そんなことに価値が出てくる時代が到来するかもしれない。

 

花を摘んだバラ

 

■定期的な「花がら摘み」が欠かせない

 

花を綺麗に長く楽しむために欠かせない作業の1つが「花がら摘み」。花がら摘みを定期的に行わないと新しく咲く花が順調に育たない可能性があったり、花そのものの寿命が短くなる恐れがある。

植物は開花した後には結実して種子を作ろうとする。しかし種子を作るためには多くの養分が必要で、花がらをそのままにしておくと、そちらに大量の養分を取られることになり全体的な花付きが悪くなる。

要は花がら摘みはこれから咲き誇る多くの花のために行うというわけだ。水がにじんだような褐色になる「灰色かび病」を防ぐ意味もある。シクラメンやキンセンカなどの草花だけではなく、あらゆる植物で発生するから警戒が必要だ。

花がら摘みの基本は「種子や実を作る部分を残さない」こと。四季咲き品種であれば早めに花がら摘みをして次の2番花、3番花を咲かせなければ、品種によってはローズヒップ(バラの実)」を付けてしまう。実を付けるということは木が固まり次の芽が動きにくくなる。

バラの株元から勢いよう出てくる新芽のことを木バラの「ベーサルシュート」という。そのままにしていくとホウキ状になりせん定をどこですればよいのかわからないだけでなく、枝の寿命が短くなってしまう。シュートを見つけ次第処理をする。

 

私の好きな「ダブル・デライト」

 

 

「ピース」も好き

 

「エレナ」の色も何とも言えない

 

「アイズバーグ」もいい

 

ボレロ

 

 

イングリッド・バーグマン(デンマーク 1983年)四季咲き

 

ゲーテ・ローズ(ドイツ、2010年)四季咲き ハイブリッド・ティー

 

私が選んだ「ピンクノックアウト」の群生

 

四季の香ローズガーデンの名にちなんで命名された「四季の香」

 

育種家、忽滑谷史記氏(ぬかりや・ふみのり)が2021年に作出したバラ。黄色と桃色の優しい絞り咲きの色で木漏れ日の暖かい”光”を表現しており、光が丘をイメージして選抜育種されてできた品種。

その名の通り、春から秋まで咲き続ける四季咲きで、爽やかな紅茶を感じる心地よいティーの香りが楽しめる。

 

■これからの病害虫対策

 

雨が多くなると、病気の発生も多くなる。特に黒星病が出やすくなるので、できれば薬剤散布をしたほうがベスト。雨の降る前、降った後などのタイミングで行う。

早期であればハンドスプレータイプのもので対処し、広範囲であれば広がってしまう前に展着剤を入れた殺菌剤、害虫が出ているようであれば何の虫か確認し、殺虫剤も入れ、倍率を守り薬剤散布を行う。

葉っぱが黄色くなるダニはダニ剤を散布し水で洗い直す。いずれにしても葉っぱは濡らさないようにしたい。病気が出るからだ.黄金虫や夜盗虫も出てくる。

いずれにせよ、バラにもミニバラやつるバラなどがある。ミニバラは育てにくいので手を出さない方がいいかもしれない。いずれにしても性質を知って育てて欲しい。

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