【花木】50年以上咲く「胡蝶蘭」と日本の固有植物「西洋アジサイ」、花が咲き過ぎた「金柑」、さらには泉州特産の「水なす」も
■胡蝶蘭の寿命は50年
2008年に最後の転勤先の神戸でもらった胡蝶蘭を自分で咲かせ始めて14年間。去年は水苔を取り替えたことから咲かなかったが、今年はきちんと咲いた。実際に咲いたのは9回目だから9世だ。
毎年5月か6月に咲く。色は毎年ピンクだ。10輪咲いたこともあれば、9輪や8輪の時もある。今年は8輪だ。とにかく咲くのは私が注いだ愛情の結果だ。自分の丹精が実現するのは喜びである。
最初の1輪が咲き始めてから最後の8輪目が咲いたのは1カ月くらい。8輪がすべて咲いている。開花時期がずれることを考えると、最後の花が散るまで開花時期は3カ月にも上るのか。
胡蝶蘭の寿命は50年以上とも言われている。私より長生きするらしい。犬も15年ほど生きる。高齢者が犬を飼うと、人間様のほうが早死にしそうだ。そう考えると、胡蝶蘭は長い。
■アジサイは日本の固有植物
東側の壁側に植えている。家を建てたときからだから25年経つ。よその家は終わっていてもうちは遅咲きである。遅いが、毎年きっちり鮮やかな大輪を咲かせる。花を切って切り花にした。水が上がって中心部の花が開き始めている。
農耕と園芸オンライン「カルチベ」によると、「西洋アジサイ」の母種はすべて日本の原生種。日本固有のアジサイが中国を経由してヨーロッパに渡ったといわれてる。1789年に英キューガーデンのジョセフ・バンクス卿のもとに生体が持ち込まれた。
アルカリ土壌の多いヨーロッパではピンク色になり、「東洋のバラ」と呼ばれ珍重された。育種も進められ、「西洋アジサイ」の一群となっていった。
こうしてヨーロッパで品種改良された「西洋アジサイ」が大正時代に里帰りし、日本でも植栽され流通し始める。
ドイツ人の医師・博物学者で来日したこともあるフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796~1866)が帰国して出版した『フローラ・ヤポニカ』(日本植物誌)には誤りも含めて17種のアジサイ類が掲載されているというが、この中に「オタクサ」があった。どうやらオタクサはシーボルトの愛人お滝さんに由来するものらしい。
■金柑の結実時期は11月~2月
玄関脇に金柑が植わっている。これも孫の記念樹としてもらったものだ。ミカン科ミカン族、原産国中国。開花時期は5~10月、花の色は白色。結実時期は11~2月。実の色は黄色。高さ約2m。地植えは基本的に水やり不要。
様々な品種があるが、金柑には実が食べられる食用と観賞用があり、育てる場合には目的をはっきりさせてから苗木を購入する必要がありそうだ。
ほとんどせん定をしてこなかった金柑だが、今年は失敗したのではないかと恐れている。せん定の時期「3~5月」を逃したからだ。すっかり忘れていた。
その結果、6月以降、成長期に入って枝が伸びて枝先に芽が付き始めたのだ。この時期に枝を切ると芽を一緒に切り落としてしまい、翌年に実がならない恐れがあるからだ。
金柑のせん定方法は「ほうき仕立て」が一般的によいとされているという。ほうきを逆さまにしたような樹形のことをいう。
■泉州特産の高級野菜「水なす」
大阪在住の知人からお中元が届いた。泉州特産の水なす漬である。珍品である。製造しているのは創業昭和40年(1965)の株式会社マツモト(大阪府門真市宮野町)。農家から仕入れたなすを加工し、商品として売り出している。
内包されていた小型のパンフレットには「松壽苑泉州水なす漬」と書かれていたが、「松壽苑」が何を意味するのが分からなかった。それでマツモトのフリーダイヤルに聞いてみたら、「水なす漬に付けているブランド名」だという。ブランド名もいろいろあるらしい。
マツモトの商品案内によると、「なす」は8世紀初めに中国から渡来したといわれる。以来、日本各地で栽培・改良され、数多くの品種が生まれてきた。
「水なす」もそのうちの1つで、江戸時代初期には栽培されており、泉州地域の気候・風土でしか栽培できない地域特有品種とされている。また、その名のとおり水分が多く、表皮も薄く柔らかく、かつては農地の一角に水なすを植え、夏場の農作業で乾いたのどを(水なすで)潤したという習慣も伝えられている。
種やあくが少なく甘味を持つため、フルーツのごとく生でも美味しく食べられる、さっぱりとしてまろやかな食感だ。なかでも糠床での浅漬けを食するのが最高といわれている。
当ブログでは2009年7月8日に「水なす」が登場する。東京・京橋の和洋料理「きむら」で食べた水なすである。最近は毎年のように大阪から送られてくる。その都度水なすについて考える。それも乙かな。