サクラ保存林

 いつの間にか4月も下旬になろうとしている。今年の関東の桜もそろそろ終わり。見納めに日本中の桜を楽しめる独立行政法人森林総合研究所多摩森林科学園の「サクラ保存林」(東京都八王子市)で八重桜を堪能した。ここには江戸時代から伝わる栽培品種や各地の名木など多数のサクラの接ぎ木クローンが保存されている。たくさん見たが、あまりにたくさんあって、それでいて区別がつくほど目ができていないのが悔しい。

①桟敷席の関山(かんざん)



サトザクラ。紅色の濃い大輪の花で、東京の荒川堤に植えられていた代表的な里桜の1つ。育てやすいこともあり、公園や並木にも多く植えられている。花を塩漬けにして「桜湯」に使われる。開花時期は4月下旬。

②御衣黄(ギョイコウ)


 サトザクラ。小輪八重咲きで、花の色が淡黄緑色という非常に変わった珍しい桜。花弁は中央に反り返り、花の盛りを過ぎると、花弁の中央に緑色の線が現れる。緑色の花弁は葉から変化したことを物語る。名前は天皇の衣服に由来している。開花時期は4月下旬。実に気品のある色で、美しい。黄色が勝った「鬱金(ウコン)」との違いがいまひとつよく分からない。

③市原虎の尾(イチハラトラノオ)


 今回初めて知った。ヤマザクラ系。京都市左京区の市原にあった桜。大枝を横に拡げ、特異な樹形になり、太い短枝が多数つく独特な姿。中輪八重で、白色の花が横に群がって咲く。虎の尾に似ていることからこの名前が付けられたという。開花時期は4月下旬。

④桜とヒヨドリ


「梅にメジロ」は付き物だが、桜の場合は何だろう。ある1本の桜の枝に鳥が何匹も止まって、忙しく花弁をついばんでいた。目の周りが白いのがメジロだが、この鳥は違うようだ。誰かが「あれはヒヨドリだ」と言っていたが、そうなのだろうか。

⑤サクラ保存林



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