食育フェスタ2016
第6回全調協食育フェスタ2016をのぞいたら、今年のテーマは「お雑煮」とかで、各県のお雑煮が紹介されていた。マップには角餅と丸餅の分岐ラインが示されていたが、電圧(50ボルト/60ボルト)の分岐ラインとほぼ一致していた。
100円で試食できたのは静岡県「焼津鰹節雑煮」。すまし仕立ての汁に、茹でた角餅、里いも、大根、にんじん、しいたけ、水菜を入れ、花かつおをたっぷりのせた雑煮だ。量は少なかったが、具はしっかりすべて入っていた。調理担当は新宿調理師専門学校。
ほかに、みそ仕立ての汁に餡餅を入れた香川県の「餡餅雑煮」もあったが、売れ切れご免だった。
わが郷土、兵庫県は「神戸雑煮」がパネル展示されていたが、お餅は丸餅ながら、だし汁(煮干し)仕立てだった。しかし、神戸から80km離れた丹波地方は京都府の丹波地方と隣接している関係で京都の支配下にあったようで、白みそ仕立ての丸餅。大根やにんじんなども輪切りだ。
すべて東京で生産された野菜ばかり。
馬込人参~馬込三寸人参。柔らかくて甘い、根の先端が丸々としたかわいい形が特徴。
しんとり菜~歯触りが良く、生でも火を通しても、シャキシャキ食べられる。
滝野川牛蒡~エイド時代に人気のあった牛蒡。柔らかくて味が抜群。
亀戸大根~キメ細かく滑らかな食感。
千住葱~極太で巻きが多く、とびきり甘くて美味な葱
「内藤とうがらし入り味噌」につけていただいた。
ミスター食育と呼ばれているのが服部幸應氏(はっとり・ゆきお)だ。調理専門学校、服部栄養専門学校(東京都渋谷区)の校長、服部学園理事長で、フェスタ主催者の日本調理師養成施設協会の理事長も務める。彼が「食育のすすめ」と題して話をした。
「人間の教育にとって重要なのは知育、徳育、体育の3つだが、うまく機能していないのは食育がないからだ」―というのが彼の持論だ。2005年には政治を動かして食育基本法を作り上げた。
彼は11年前に「アンチエイジング」と言う言葉を流行らせたのは自分だとした上、今から半年後には「リポポリサッカライド」(Lipopolysaccharide、LPS)という言葉が流行ると予言した。免疫力を高めるビタミン類で、「免疫ビタミン」と呼ばれている。金芽米(亞糊粉層を含んだ白米と玄米の中間)やレンコンなどに含まれているという。
「生物は環境から多くの情報(刺激、ストレス)を受け取り、環境に適合しながら生活している。環境の1つとして、ヒトの体にいる細菌の数は、人間の細胞の数(3兆)よりも10倍も多いと言われている。腸内や皮膚、口腔などに多くの細菌が常在し、いろいろなやりとりをヒトと行い、ヒトの健康に大きな影響を与えている」
LPSは病気やウイルスから体を守る「自然免疫力」を強化し、病気やウイルスに負けない体作りに役立つという。
服部氏がもう一つ教えてくれたのが幸せホルモンの「オキシトシン」。母乳に含まれており、人工ミルクには含まれていない。このオキシトシンは人と人との肉体的な接触や、簡単なボディータッチでも分泌される。スマホ社会で、核家族化などでこのオキシトシンが分泌される環境がどんどん消えており、それが児童虐待などにもつながっていると指摘した。
オキシトシンが分泌されると、以下のような効果をもたらしてくれるという。(【幸せホルモン】ストレスを消し多幸感を与えてくれる”オキシトシン”を出す方法)
・幸せな気分になれる
・脳・心が癒やされ、ストレスが緩和する
・不安や恐怖心が減少する
・他者への信頼の気持ちが増す
・社交的となり、人と関わりたいという好奇心が強まる
・親密な人間関係を結ぼうという気持ちが高まる
・学習意欲と記憶力向上
・心臓の機能を上げる
・感染症予防につながる
オキシトンを分泌させる方法としては配偶者や恋人がいる場合、スキンシップやハグ、キスや性交渉、いない場合には家族団らん、友人との食事、おしゃべりなどが効果的。家族も友達もいない場合にも方法はある。
・感動する
・感情を素直に表す
・親切を心がける
・思いやりの気持ちを呼び覚ます
・ほ乳類とのスキンシップ(特に犬)