「CLT実験棟」見学
建築の世界でも鉄筋コンクリートを使わない「木造ビル」の時代が始まろうとしている。木材の繊維の方向を縦と横に交互に直交するように層を重ねた木質パネル(CLT=Cross Laminated Timber)を利用した工法で、1990年代にドイツで生まれ、オーストリアを中心に発展。米国やカナダでも建ち始めている。
日本政府も林業再生の起爆剤にしようとCLT普及・促進を日本再興戦略にも盛り込み、「16年度初めに5万立方メートル程度の生産能力を実現し、24年度までに年間50万立方メートル程度の生産体制を整備する」方針を打ち出した。国立研究開発法人建築研究所(茨城県つくば市)にCLT実験棟を建設し、技術開発に乗り出している。
今年4月1日にはCLT建築物の一般設計法に」ついて、建築基準法に基づく告示を公布・施行。法的位置づけが明確になったことで、大臣認定がなくても建てようと思えば建てられるようになった。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの主会場になる新国立競技場にはCLTがふんだんに使用される予定だ。設計者の隈研吾氏は「コンクリート建築の全盛時代は終わった」と述べており、新国立競技場は「木造ビル時代の幕開け」を告げるシンボル的存在になるかもしれない。
CLTがどんなものか肌で感じようと思って、見学会に行った。秋葉原からつくばエクスプレスに乗って急行で45分。あっという間に着いた。しかし、つくば駅から現場までが遠かった。とにかくバスが来なかった。