自助・共助・公助

谷垣自民党総裁

2009年に民主党が政権を獲って2年超。有権者に愛想を尽かされた自民党との違いを一言で言い表せる言葉を探していたら、22日午前、BS朝日「激論!クロスファイア」で谷垣自民党総裁が「自民党は自助、民主党は公助が中心」という趣旨のことを言っていた。

基本は「自助」(自分の責任で行う)だが、それがどうしても無理な場合には「共助」(公共機関が助ける)で補う。そのバランスが重要だとの指摘だった。それで腑に落ちた。

「こども手当」や「高速道路無料化」「高校授業料無料化」「農業者個別所得補償制度」など民主党の政策にはずっと違和感を抱いてきた。資本主義・市場主義国家でありながら、社会主義国家のような政策色があまりにも強く、格差是正は必要だとしても、こんなバラマキ政策では自助努力は育たないと危機感さえ感じてきた。「自助」を通り越して、最初から「公助」ではだれも一生懸命働く気にならない。

民主党は「政権を獲るために政治家が集まった政党だから理念がない。政党綱領すらない」(谷垣総裁)。国防政策やエネルギー政策など国の基本政策で統一的な政策を持たない民主党は政党というよりも政権奪取のためという一点だけで集まった集団だと指摘されるのもうなづける。政党としての体をなしていない。政権をとって、それが一段と鮮明になってしまった。

「自民党と民主党とは何が違うのか」とネットで調べていたら、たまたま講談社のコラムサイト「現代ビジネス」で政治評論家・田崎史郎氏の記事「小泉進次郎28歳の魅力 自民再生の鍵は『自助、共助、公助』にあり」(2010.11.22)にヒット。小泉氏とのインタビュー内容に触れたもので、「自民党の生きる道」を聞いたところ、次のような答えが返ってきたという。

「自民党が目指すのは、『自助、共助、公助』のバランスを大切にする社会です。まずは自らが自らを助けるという『自助』が基本の国づくりをして、それでもダメだったら、民間と一緒になって『共助』というものを築いて、それでもまだ足りないところを、『公助』で国がしっかり面倒を見るというものです。ぼくはこの考え方がこれからの日本で必要だと思いますから、その考えをもとにした政策や国づくりをできない環境にあるならば、自民党は与党になる必要はない」

「自助・共助」に対する考え方だけで、両党の違いを断定するのは危険かもしれないものの、問題によってはこれを判断基準に使っても間違いないように思う。何が実像・実体・本当であるのかが一段と分かりにくくなっている現在、自分の納得・得心のいく物差し・目利きを持っていないと判断・評価を間違いかねない。大変な時代である。

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