兵庫県・大阪府の府県境を歩くⅡ
誰が境界線を定めたのか、実に込み入っている。どこをどう歩いているのか、自分でもよく分からないが、目標は眼前に広がる大阪国際空港。東半分が豊中市、西半分は伊丹市だ。空港方面に向かい最初に目に入ったのが「尼崎市立田能資料館」(尼崎市田能6-5-1)。
弥生時代(約2300-1700年前)の遺跡だ。この辺りに点在している。資料館の屋外は史跡公園として整備され、円形平地式住居や方形竪穴式住居が復元されていた。岩屋トンネルを通り抜けると道路の向こう側はもう空港敷地。
空港の敷地内で何やら工事が行われていたので、道路脇の住民氏に聞くと、空港見学者用の展望デッキを造っている最中だとか。空港脇の道路を西に歩いて森本地区でぶつかったのが「伊丹スカイパーク」。
航空機騒音の軽減と周辺地域の生活環境改善を目的に、平成5年より、国・兵庫県・伊丹市の3者共同で実施している事業だとか。森本地区は使用開始され、平成20年には全体が完成するという。パークセンターのほか、だんだんテラス(石階段)や立体迷路、ローラー滑り台などが整備されていた。伊丹空港は廃港になると思っていたが、どうやらそんなことはないらしい。
滑走路の下を地下道が通っており、それをくぐるつもりでいたが、めくらめっぽうに歩いていたので見過ごした。結局、空港の周辺を延々と歩く羽目に陥ったのは辛かった。ターミナルビルでコーヒーを飲んでしばし休憩。
伊丹空港はこれまで何度も使ったことがあったが、いつも飛行機で降り立って、そのままバスやタクシー、モノレールなどで目的地に向かうだけ。空港の周辺がどうなっているかなど気にも止めなかった。関心もなかった。
それが不思議なものである。この日は空港周辺は歩き回るばかり。豊島南を抜けて171号線(西国街道)を西に進路を取る。空港の敷地内からうまく抜け出せなくて困った。たどり着いたのはJR宝塚線北伊丹駅。時刻は午後6時ごろか。宝塚市内のカラオケボックスで火災が発生していることなど知る由もなかった。