神戸薪能

  長田神社の境内で1日夜、「神戸薪能」(こうべ・たきぎのう)を鑑賞した。梅雨もようやく明け、空はよく晴れ、時折、涼風が通り抜けていく。薄暮の中、蝉の鳴く中で始まった舞台も火入れ式のころには陽も落ちて虫の音に変わり、燃え盛るかがり火が幽玄の世界を醸し出す。

 長田神社は生田神社、湊川神社と並んで神戸3大神社の1つ。敷地面積こそ他の2神社にかなわないが、1800年の歴史を有する伝統ある神社。神戸薪能は昭和44年より開催され、今年で37回目。今でこそ各地で薪能ばやりだが、県内での上演はここが初めて。当時、全国でも数カ所でしか行われていなかったという。それが今や神戸の夏の風物詩の1つに定着した。

 能は600年の歴史を持ち、現存するものとしては世界最古の舞台芸術。この日鑑賞したのは狂言「清水(しみず)」と能「巻絹(まきぎぬ)」。主催は神戸薪能協会。動きの激しい舞台を見慣れた者にとっては物足りなさを感じたのは確か。これが600年の落差か。

(上演中は写真撮影不可)

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