津和野

 山陰の小京都と呼ばれる城下町・津和野町。中国山脈の末端・島根県の西南に位置する鹿足郡の小さな町だ。今や山陰の観光地として全国に名をとどろかせるまでになったが、「こんなところにこんな町が・・・」という印象だった。

 開祖が文永、弘安の役の勲功で西石見の追補使(地頭職)に任じられた吉見頼行氏。その後、約700年にわたって吉見氏14代、坂崎出羽守16年、亀井藩主11代の治世の拠点として殷盛を極めた。
 
 不思議なのはこの小さな町から明治初期に活躍した2人の偉人が生まれていること。1人は哲学者、啓蒙思想家として名を知られる西周(1829-1897)。もう1人は軍医で文学者の森鴎外(1862-1922)。2人の旧宅が今も保存されている。森鴎外記念館もある。

 のどかな町である。津和野駅にはSL「山口号」が停車していた。津和野郷土館を見たが、津和野の歴史を年代別に追った展示にはなっておらず、この町を理解しようとする観光客には非常に不親切だった。観光を生業にしている町とは思えなかった。残念だった。

 

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