鐘ヶ坂隧道

 「鐘ケ坂公園」(兵庫県丹波市上小倉)と言えば、同市内では桜の名所で有名だが、あれだけ沢山のもみじが植えられているとは初めて知った。石鑿寺のように、こちらには古寺はないものの、大きな起伏の合間に見せる紅葉は味わい深い。とりわけ坂の上から見下ろす紅葉は見事だ。

 びっくりしたのは「鐘ヶ坂隧道(ずいどう)」。明治16年(1883年)に完成したトンネルで、煉瓦のトンネルとしては日本最古だという。延長268m、幅員3m。もみじまつりの行われていたこの日は特別で、トンネルの通り抜けを開催。古風な行灯がトンネル内に置かれ、趣きを醸し出していた。

 鐘ヶ坂峠は大阪と福知山を結ぶ国道176号線でも、交通の難所で明治16年、2年1ヵ月を要して完成した「鐘ヶ坂隧道」は難工事だった。日本で5番目に作られたトンネル。同隧道より下に掘られた2番目のトンネルから600m続く遊歩道から眺める紅葉はすばらしい。1番目はもちろん、2番目も今は役割を終え、今では昨年完成した3番目のトンネルが活動中だ。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.