ため池フォーラムinひょうご

 いやはや色んなフォーラムがあるものである。16日参加したのは「ため池フォーラムinひょうご」(明石市民会館大ホール)。テーマは「活かそう みんなのため池~減災社会の実現と地域づくり~」。主催は兵庫県、県土地改良事業団連合会、県ため池等整備事業促進協議会、明石市、いなみ野ため池ミュージアム推進実行委員会で構成するフォーラム実行委員会。

 主催者を代表してあいさつした五百蔵兵庫県副知事によれば、フォーラムは今回が11回目で、兵庫県での開催は2度目だという。それというのも、兵庫県には約4万4000ヵ所のため池が存在し、2位である広島県(2万ヵ所)の2倍にも上る堂々の1位ということのようだ。

 過去10数年間で、ため池は1万ヵ所も減っているそうだが、それでも兵庫県、とりわけフォーラムの開催された明石市を含む播磨地域には面積の大きいため池が多く存在しているという。ため池のほとんどは江戸時代に築造された歴史を持つから、文化遺産だ。

 ため池はコメ作りのための農業用水のために築造されたものだが、最近は管理の粗放化や老朽化による安全性の低下、ごみ投棄や放置、水質悪化などにより、ため池の機能が低下する問題に直面している。

 こうしたため池をどう整備し、農業用水以外に利活用していくかが今日的なテーマとなっている。身近な存在であるため池を地域づくりに活かしていくことによって、新しい地域文化を作り上げようという試みが各地で展開されている。

 ため池文化のシンボル的存在なのが「いなみ野パールプロジェクト」。兵庫県・東播磨地域のため池に生息する淡水二枚貝「ドブガイ」(愛称:烏珠貝=ぬばたまがい)を使って、淡水真珠(いなみ野パール)を育てようという夢のあるプロジェクトだ。

 プロジェクト推進実行委員会会長が加古川市在住の作家、玉岡かおる氏。フォーラムの最後に氏が熱っぽく、ため池文化育成のモデルとしていなみ野パールへの参加を出席者に呼び掛けていた。

 ため池と言えば、少年時代にはよく隠れて遊んだものだ。泳いだりもした。禁止されているだけに、それを侵すことのたまらない喜びを感じたことを今でも覚えている。ため池など今の今まですっかり忘れていたが、言われて見れば、あれほど”田舎”的な存在もないのではないか。たかが「ため池」、されど「ため池」である。今や文化だ。

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