みくまりダム定礎式

 ダムの建設現場を初めて見学した。兵庫県が1993年から建設を進めてきた「みくまりダム」(篠山市三熊)の定礎式が17日、現地で行われたので出席した。県中東部、京都府との県境に近い。神戸から車で阪神高速-中国自動車道-舞鶴若狭自動車道を経て丹南篠山口ICで高速を下り、そこから一般道を30分ほど走る。1時間半。結構遠い。

 なかなか見られるものではない。加古川水系三熊川の治水対策、篠山市多紀簡易水道への水源確保が目的。生活貯水池ダムだ。「脱ダム」や脱「脱ダム」などダムをめぐる問題は迷走している感があるが、このダムの場合はどうなのか。

 ダムの底部に定礎石を埋設し、ダムが堅固で長久であることを願うのが定礎式。工事関係者が法被姿で木遣りの声に歩調を合わせながら定礎石を担ぎ、所定の場所に埋設。鎮定(ちんてい)-斎鏝(いみごて)-斎槌(いみづち)の3段階を踏まえ、コンクリート打設を行う。この工程は昔も今も同じだという。

 ダム本体工事の着手は2005年12月。既に3分の1強が済み、08年度末の完成を目指している。総貯水量は38万立方メートルとダムとしては小粒。しかし、これまで鹿の鳴き声が聞こえていた場所にダムができることで、現地の環境は大きく変わる。「ダムを活用した新しい地域づくりが必要」(谷公一衆院議員)だろう。

 ダムの底部に埋設される定礎石。ダムの底でずっと眠る。同じものがダム管理棟の側に設置される。

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