『石油の呪縛』と人類

  ソニア・シャー著、岡崎玲子訳『石油の呪縛』と人類(集英社新書)を読んだ。230ページの新書版だが、活字は細かく、内容はびっしり。これだけ密度の濃い新書は珍しく、正直、途中で何度も読み続けるのを放棄しそうになった、ことを告白しておきたい。読了するのに、何ヶ月も掛かった。

 現代社会を支配する石油を勉強しようとする者にとっては必読の書だ。現代社会は「脱石油」を模索しながらも、一度石油の恩恵を味わってしまってからは、逃げるに逃げられない。何をやるにも石油にエネルギー源を依存し、石油なしでは生活を維持できないのが現実。

 石油に代わる代替エネルギーをいかに確保するか。石油が無限の資源ではない限り、時間との戦いだ。石油を消費した後に排出されるCO2が地球を滅亡の危機に追い込んでいる。石油を手放すか、便利な生活を放棄するか・・・。実にいろんなことを考えさせる。

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