『残り火』

書名:残り火
著者:諸井薫
出版社:講談社(1998年1月16日第1刷発行)

 諸井薫(1931-2001)の短編集。週刊女性・プレジデントの元編集長。プレジデント社社長も務めた。定年前後の情緒不安定な男たちの危険な恋愛(もどき)を大人の文章で切り取った。所詮、世の中は男と女しかいない。これに命を賭ける者もいれば、そうでない者もいる。

 青春時代に命を賭けなかった者でも、人生のたそがれときを迎えて、それまで命を賭けてきたものへの失望・絶望・諦観・愛惜に突き動かされ、残り火に薪をくべたくなる瞬間に直面するものなのか。たそがれときの男の心象風景を描いて絶妙である。

・野良猫
・リバーシブル
・雨だれ
・少女愛
・父の失敗
・辞める理由
・つまんない
・残り火

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