山崎豊子自作を語る1「作家の使命 私の戦後」

 山崎豊子氏の書く作品はどれも圧倒的な重量感と永遠に続くような長編ばかりだ。現在、テレビ放映中の『不毛地帯』は全5冊(新潮文庫版)、映画が上映中の『沈まぬ太陽』も全5冊(同)である。とにかく大長編だ。読み応えがある。

 いずれも、テーマは戦争である。ちょっとやそっとで書ける内容ではない。渾身を込めた取材をベースに「小説」を組み立てる。5年も8年も書き続ける精神は半端ではない。とにかく、すさまじい。山崎作品の愛読者の1人として、彼女がどのような気持ちで、これらの作品を書いてきたのは、ひどく興味深い。(続く)

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