韓国料理『まだん』

韓国家庭料理の店『まだん』は不思議な店である。韓国人のママが切り盛りしている店で、ほかに2人の韓国人の娘さんが手伝っている。ママは日本語ができるけど、2人はほとんど分からない。ほとんど異国である。

近々パリに赴任する若い同僚を壮行するつもりで、何が食べたいかと聞いたら、所望されたのは「肉系」。焼き肉、しゃぶしゃぶなど数々あれど、負担度を考慮して豚カツ屋とコリアンの2つに絞ったら、予想に反してこちらを要望された。

場所が場所である。西銀座JRセンター内47号。一応、銀座(界隈)である。事前に地図を送っておいたが、なかなかたどりつけなかったようだ。帝国ホテルから目と鼻の場所なのに、JR高架下であることを注意喚起しておいたのにかかわらず、到着がひどく遅れた。

30分遅れで到着した同僚いわく、「恥ずかしながら、この周辺にもう20年以上徘徊しているのに、この高架下に足を踏み入れたのは初めてです」。JR高架下、もっと正確に言えば、「新幹線の高架下」(ママ)。山手線・京浜東北線・東海道線の下なら、天井からもっと頻繁に音がするはずだが、あまり気にならない。

声を掛けていた他2人も同じく遅れた。かなり探したという。文字通り、銀座の中でもディープでハードボイルドな地域である。神戸のモトコー(元町高架下)も好きだが、このギンコーはほとんどシャッターの閉まった店ばかりでもっと壮絶だ。それなのに、「まだん」は大入り客で賑わっていた。このことも不思議である。

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