ブログ改名

　ブログ名を変更した。開設した時点では、自著名をそのまま冠した。そのときは、先物市場の現状・将来について考えたことを綴っていくつもりだったが、現場を離れたことや組織に属する人間として優先すべきことが雲霞のごとく押し寄せ、日常風景をメモ的に書き記すことだけで精一杯だった。

　仕事柄、機密的な情報に触れる機会が多かったし、報道機関に勤務していることもあって、直接、仕事に絡むことは書けない事情もあった。どうしても、題材は日常生活に関係したことに限らざるを得なかった。時間もあまりなく、きちんとした論考ではなく、メモ的な内容に終始した。

　「先物ビッグバン」というブログ名と実際に書いている内容との落差のあまりの大きさが気になっていた。さはさりながら、名前というのは不思議なものである。ずっと使っていると、愛着が湧いてくるものだ。なかなか踏ん切りがつかなかった。

　勤めていた会社も退職して第一線を退き、今は身分も嘱託。完全な「無所属」になるのも時間の問題だ。時機は熟した。既にプロフィール欄で実名も公開している。潮時と考えた。匿名で書いていることに対する違和感もくすぶっていた。

　ブログと言えども、第三者に向けて情報を発信することには変わりない。外に向って情報発信することはよく考えれば大変なことである。影響力のあるなしでも変わってくるだろうが、自分の発言には責任を持ちたいと普通なら思うものである。

　匿名性の気楽さ、無責任さの裏に隠れて、誹謗・中傷に満ちたコメントを投げ掛けてくる者もいる。実名で批判されるのならともかく、自らは匿名性の裏に逃げながら、弾を撃ってくることがネットの世界では横行している。匿名で書くことはその後ろめたさを常に意識せざるを得なかった。

　ブログのスタートは２００４年１０月３１日。３日に１回程度の割で書いてきて、コンテンツ数は１３００本近くになった。メモ・考察・生活雑記の域を出ないが、自分の過去を時系列的に振り返るのにひどく重宝している。長く書いてくると、もう自分の分身のような存在である。不思議な感覚である。