ヨドバシ村

 ヨドバシカメラの創業者・藤沢昭和(てるかず)社長に初めて会ったのは今から35年前の1975年。通信社に入って精密機械業界を担当した駆け出し記者のときだった。カメラやウオッチ、複写機メーカーなどが取材対象だったが、その中にヨドバシカメラも含まれていた。

 記者としてインタビューした最初の経営者は石川島播磨重工業(IHI)の故田口連三会長だったことを鮮明に覚えているが、その後比較的早く会った経営者の1人が藤沢社長だった。流通の話を書いた。1960年に東京・渋谷で小売業の藤沢写真商会を創業。同社HPによると、1974年にヨドバシカメラに社名を変更した。

 75年に会ったとすると、社名変更し、社業発展に乗り出した矢先。同社はその後、家電販売に進出した進出期→地方進出・大型店舗出店の転換期、開発型出店の成長期と目覚ましい。藤沢昭和氏は1935年(昭和10)9月18日生まれの74歳。あと1週間ほどで75歳だ。会社情報欄では代表取締役となっている。今も現役社長らしい。

 旧知の知人と2年ぶりに新宿で飲んだ。通勤経路を考えて京王線新宿駅に近い西新宿1丁目で店を探した。ヨドバシカメラ本店を含め関連店舗が集中する一角だ。同じ新宿でも小田急ハルクのビル内に店舗を構えるビックカメラに比べ、ヨドバシカメラはとにかく店舗が地べたに建っている。

 歩きながら、商品を物色したり、そのままふらふら店の中に入っていけるのがいい。エレベーターやエスカレーターに乗らなくてもいいのが顧客本位だ。考えた上でそうなったのか、たまたまそうなのかは知らない。大型店でこういう店はまずない。気取りのなさが気にいっている。

 ヨドバシ村の取っ掛かりにある酒蔵紀州屋で、無濾過の樽生ビール「白穂乃香(しろほのか)」(サッポロビール)を飲みながら、「やまと豚つゆしゃぶ」を食べた。その後、村内に少し入ったカフェハイチでハイチコーヒーを飲んだ。ヨドバシ村の隆盛を喜びたい。

①地べたに建つヨドバシカメラ


②ハイチコーヒー

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