ボスは要らない
The leader works in the open,and the boss in covert.
The leader leads,and the boss drives.
―by Theodore Roosvelt(Speech at Binghamton NY,October24,1910)―
リーダーとボスの違いは何か。
リーダーの仕事は開かれているが、ボスの仕事は隠されている。
リーダーは導くが、ボスは強いる。
―セオドア・ルーズベルト(元米大統領)―
民主党代表選もいよいよ終盤。出馬した菅直人首相と小沢一郎前幹事長の2人の形勢は伯仲しており、新聞各紙の情勢分析もその主張、スタンスを色濃くした内容になっている。そうした中で、「イメージはクリーンなものの、実行力は弱そうな」菅氏と「カネの面では灰色だが、実行力はありそうな」小沢氏という構図が出来上がったようだ。あくまでイメージだが、イメージは重要である。
どちらが国家指導者としてふさわしいかと言えば、どちらもふさわしくないとするのが最適解かもしれない。しかし、どちらか2人を選ばなければならない。指導者としてあるべき姿を考えていたら、6月に東大農学部主催の公開講座で応用動物科学専攻の武内ゆかり准教授が「リーダーとボスの違い」について話していたのを思い出した。
武内准教授は『キャンプ・カウンセリング』(ミッチェル、クロフォード氏共著、1961)から「ボスとリーダーの違い」を引用したと思う。それを紹介したい。
・ボスは部下をあごで使い、リーダーは指導する。
・ボスは権力に頼り、リーダーは善意に頼る。
・ボスは恐怖をあおり、リーダーは情熱をかきたてる。
・ボスはいつも自分本位、リーダーは全体のことを考える。
・ボスは仕事を命じ、リーダーは自ら模範を示す。
・ボスは「時間通りに集まれ」と言うだけ、リーダーは時間前に行って待っている。
・ボスは仕事のやり方を口で言うだけ、リーダーは実際にやってみせる。
・ボスはこれをやれと命令し、リーダーはこれをやろうと促す。
難しいものだが、ボスは要らないことだけは確かだ。