誕生餅

 東京は今日もよく晴れて、きのうとは違って風もなく暖か。庭の紅枝垂れ梅が気持ち良さそうだ。寒ボケの蕾もかなり大きくなった。名前は思い出せないが、黄色い花も咲いている。クリスマスローズもおっつけ開花するだろう。

 初孫誕生からちょうど丸1年。出産を清酒「初孫」で祝福し、3月にはこの枝垂れ梅を植樹。4月にはお宮参り、5月にはお食い初めとイベントが目白押し。夏の猛暑を乗り切り、冬には650キロのロングドライブをこなして田舎で迎春。そしてめでたく1歳の誕生日を迎えた。育てている親は大変だ。

 1歳の誕生日には一升餅を風呂敷に包み、背中に背負う。丸い良き人生がしっかり大地を踏んで歩めますようにとの願いが込められている。背負わさせられる本人にとっては迷惑かもしれないが、1年目の重要なイベントだ。人間の一生はイベントの連続である。

 人生は変化の連続だが、とりわけ生後直後から満1歳までの変化はすさまじい。目も見えず、ただ泣くだけで身動きさえできなかった生命体が自立歩行し、自分の意思さえ主張するようになるのだ。その成長ぶりには目を見張るものがある。

 そして果たして自分はいささかでも成長したのかと自問する。肉体的に衰えるのはどうしようもない。問題は精神的にどうかだ。自信を持って成長したと胸を張れるのか、考え込まざるを得ない。身近で孫の成長ぶりを見ていると、実にいろんなことを考えさせられ、なかなか複雑だ。しかし、これほど人生を考えさせてくれる最良の教材もない。

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