松島湾を望む
(5月7日7時50分撮影)
ホテル大観荘は高台にある。そのため津波の被害を免れた。しかし、地震で建物にはいくらかひび割れができており、営業再開後も補修工事が行われていた。朝目覚めると、目の前に松島湾が絵葉書のような姿を浮かび上がらせていた。あいにく曇り空だったが、朝日に染まった姿は想像するだけでもため息が出る。
夕食はホテル地下の和食堂の奥座敷でいただいたが、床の間に立て掛けてあった屏風に記されていたのが有名な「松島やああ松島や松島や」。この句はてっきり松島を訪れた松尾芭蕉の作品だと思っていたら、あにはからんや、さにあらず。以下は山寺芭蕉記念館(山形県天童市)の解説文から。
芭蕉の紀行文『おくのほそ道』の中に、芭蕉が松島で詠んだ句は入っていない。同紀行文の中に見られる松島の句「松島や鶴に身をかれほと々ぎす」は芭蕉に同行した弟子・曽良の句。紀行文の中に収められてはいないものの、芭蕉は「島々や千々に砕きて夏の姿」という句を残している。
「松島やああ松島や松島や」は相模の国(神奈川県)の狂歌師・田原坊が詠んだ「松島やさて松島や松島や」が変化して今日に伝えられたもので、芭蕉の句ではない、という。
(5月6日16時45分撮影)