天一@名古屋

 悲嘆・傷心旅行の帰路、名古屋の息子のマンションに一泊した。食べたかった龍園のソース焼きそばは休みで敵わず。次の選択肢は、ひつまぶしか味噌煮込みうどん。翌日午前11時30分ごろ、松坂屋本店南館10階の「あつた蓬莱軒」に直行したが、長蛇の列。1時間待ちだという。

 きっぱりあきらめて隣りの本館9階にある「山本屋総本家」松坂屋店に移動し、名物・味噌煮込みうどんに舌ツツミを打つ態勢を整えた。こちらも行列ができていたが、蓬莱軒ほどでもなかったので列に参加。しかし、次の次の番が来た時点で店頭をよく見ると、うどんやではなく、天ぷら屋であることが判明、顔色を失った。

 9階フロアに到着した折、ざっと見で一番長い行列のできていた店だったので、深く疑いもせず並んだ。並んでいる最中に注文を取りに来た際、「カウンターが予約でふさがっており、テーブル席になりますが、それでもいいですか」と聞かれ、不思議なことを訊くものだと一瞬思ったが、それ以上考えなかったのがミスジャッジの原因だった。

 そのときに気付くべきだった。並びながら中をのぞいたものの、食べているものを確認できなかった。確認しようとはしたものの、中途半端だった。確認の省エネをした。

 この期に及んで、また最初から行列に加わるわけにはいかない。天ぷら屋さんの名前は「天一」。銀座本店の高級てんぷらの老舗だ。カウンターに座って、1つ1つ揚げ立てをいただくのが最もぜいたくな食べ方だ。カウンターではなくテーブル席でもよいか、と訊かれた理由を納得した。

 流石、天一のてんぷらである。美味である。それにしても、絵に描いたような間違いだった。内容が内容だから笑い話で済むが、これが仕事関連の重大事だったら、大問題だ。自分では常に完璧を期しているものの、こんなこともある。むしろ、こんなことのほうが多いのかもしれない。自戒、自戒、自戒。

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