田舎の朝

片道11時間かけて田舎に来た。東京・練馬の自宅を午前8時半すぎに出発し、兵庫県丹波市の実家に着いたのは午後7時半すぎ。関越道-東京外環-中央道-名神-中国道-舞鶴若狭道を約650キロ走った。それも今月2回目だ。

もちろん、走っては休み、休んでは走る、シコシコ運転。20代のころは、東名高速(昔はこれ1本しかなかった)を、120キロで連続走行、途中休憩は給油時1回だけで8時間ほどで走り切ったこともあった。とにかくひたすら走った。長距離高速道路走行の場合、どれだけ早く目的地に着けるかの決め手はクルマの性能ではなく、ひとえに運転手の体力と集中力に尽きる。

歳をとると、とにかく体力が落ちる。100キロ以上で走る場合、相当の集中力が必要だ。集中するためには体力が不可欠。歳を重ねると、どうしてもその体力が低下する。それにつれて気力も衰える。頑張ろうという気持ちが続かない。すぐ休みたくなる。歳をとるというのはそういうことなのだろう。そう思うと、余計に力が出ない。出そうという気分が萎えるのだ。

早朝5時前。書斎から東の空を眺めると、瓦の向こうから朝日が昇ってこようとしている。山際が少し赤い。田舎はずいぶんと涼しい。夜中にヒグラシの鳴く声を聞いた。蝉は昼しか鳴かないと思っていたから、ちょっと不思議な気がした。7時を回ると、別の蝉が鳴き始めた。鳥のさえずりも聞こえる。クルマの音ばかりの都会とはやはり違う。

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