熱帯夜の名月
もう秋になったと思っていたら、今日は朝からかっと太陽が照り付け、それに伴って水銀柱も上昇。昼休みに外に出たが、真夏に準じた暑さだった。東京の最高気温は32.5度。今日で4日連続の真夏日だった。今週は残暑が続くらしい。それでも夕刻になると、無機質な新宿西口の高層ビル群も夕陽に赤く染まり始める。この時間帯は嫌いじゃない。
日本人は古来から、旧暦の8月15日に空に浮かぶ月を昔から「中秋の名月」と呼ぶのが習わし。秋の澄んだ空気の中で眺める月が一番美しい。しかし、15夜の月が満月とは限らないという。ところが今年は6年ぶりに満月と同じ日になった。新宿の繁華街を歩きながら、空を見上げても名月どころか、姿さえ見えない。あんなに晴れていたのに、いつの間に曇ったのかと不思議に思いつつ、20分ほど地下鉄に乗り、改めて自宅の最寄り駅を降りてから空を見上げると、大きな満月が浮かんでいた。こんなにたっぷり眺めたのは何年ぶりだろう。
月にはススキが似合う。どこかに生えていないかなとキョロキョロしていたら、新宿プリンスホテルの入口を入ったところの生け込みが目に入った。流石おしゃれなホテルだ。帰宅後、2階のベランダから虫の声を聞きながら改めて名月を愛でた。名月は堪能したが、それにしても暑い。熱帯夜に名月を観賞するというのも乙なものだ。