円、史上最高値75円32銭

円相場が10月31日午前、一時1ドル=75円32銭の史上最高値を更新した。円は25日から27日にかけて3日連続で最高値を付けており、今朝はその流れを受け、投機筋の円買いが一段と進んだ。米国の追加金融緩和観測を背景にドルはドル売りが先行したほか、欧州債務不安再燃懸念もあってユーロも買えないとなると、投機筋の目が向かうのは円しかなかった。

しかし、このレベルでは流石に日本政府・日銀が円売り・ドル買い単独介入し、円は79円台半ばまで4円以上急落した。介入は8月4日以来。介入額は明らかになっていないが、約3兆円(380億ドル)相当に達したとの市場参加者の見方が伝えられている。

問題は介入効果がどれだけ続くかだ。長続きしないとの見方も根強い。市場と戦っても、当局に勝ち目がないのは目に見えている。3兆円でドルを買っても、そのドルはそのままでは国内では使えない。

1日付の朝日新聞朝刊は10兆円と伝え、時事通信は夕刻、7兆円規模と伝えた。英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は7兆―10兆円と報じている。8月4日の介入規模は4兆5000億円でどのソースも一致している。いずれにしても、1日分としては過去最大だ。(2011.11.1 23:00)

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財務省30日発表によると、政府・日銀が円高阻止のために2011年に実施した円売り介入総額は14兆2970億円だった。規模としては過去3番目。1ドル=75円32銭の戦後最高値を10月31日に付けた時点を中心に10~11月に過去最大規模の9兆916億円の大規模単独介入を実施したほか、8月4日にも4兆5129億円の介入を行った。(2012年1月3日 15:19)

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