小石川後楽園の梅

小梅(白梅)

 

光圀梅(白梅)

 

名称不明(紅梅)

 

今週末の東京は気温こそそんなに上がらなかったものの、快晴だった。せっかくなので、梅見をするべく都内に車を走らせた。向かったのは水戸黄門ゆかりの大名庭園「小石川後楽園」(文京区後楽)。水戸徳川家の祖である頼房が中屋敷(のち上屋敷)として造ったもので、2代藩主・光圀の江戸時代初期、寛永6年(1629)に完成した中国趣味の回遊式築山泉水庭。都内には湯島天神など梅の名所も多いが、ここは枝垂れ桜や紅葉も楽しめる。敷地面積は7万㎡超。

出掛ける前に公園事務所に開花状況を尋ねたら、「今年はとても遅くて・・・。咲き始めてはいるが、120本のうち10本程度」との答えだった。見頃がいいに決まっているが、こういうものはちょっとでも咲き始めた梅を見れば、それでもうしっかり梅を愛でた気分を味わえるものだ。迷うことなく出掛けた。見た通り、咲き始めたばかり。1分咲き以下だった。匂いもほとんどなかったものの、花や膨らんだ蕾を見ながら、春の到来を少し味わった。

 

東京ドームが借景に

 

後楽園と言えば、隣接する東京ドーム(旧後楽園球場)のほうが野球場として有名になったが、同球場が出来たのは1937年。「小石川後楽園」のほうが300年以上も先輩だ。今や東京ドームや高層ビルは公園の借景になった。

 

カモが行く

 

梅の名所と言えば、同じ水戸徳川家の水戸偕楽園が名高い。こちらは100種3000本が植えられている。偕楽園の梅林は見事だが、これは9代藩主・斉昭が小石川後楽園の梅を移植して造ったものだそうだ。つまり偕楽園は小石川後楽園より後に造られた。

 

里帰りした水戸の六名木「虎の尾」(白梅)

まだほどんど咲いていない小さな「虎の尾」の前でボランティアガイド氏が説明し始めた。「偕楽園には20本ほどの梅の古木があるが、その古木の実から育てた梅がこの虎の尾です」。里帰りの梅らしい。梅にも歴史があることを知った。

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