『狼でもなく』

タイトルも”シミタツ”調

 

書名:『狼でもなく』
著者:志水辰夫
出版社:徳間書店(1986年初版発行)

2008年5月19日付のブログで『オンリィ・イエスタディ』(1987年)について、「女に飽きた男。男に絶望した女。冷たい雨の夜に物語は始まった。たぶん、出会うべきではなかった。名手が万感の想いを込めた恋愛長編」らしい、と書いている。

続けて、「志水辰夫の小説は『飢えて狼』(1981年)、『背いて故郷』(1985年)、『行きずりの街』(1991年)などを読んできた。1936年生ま れの作家で、今の時代からはかなり隔絶した作品を書く人だ。文体に色気があるから読んでいるものの、どういうわけか本当に面白いと思ったことはない。それ なのに、つい手が出てしまう。不思議な作家である」とも書いた。

それなのに、また手を出してしまった。彼の書いた作品はどれも内容が情緒的で、インパクトも乏しく、同じハードボイルドでも原尞とは丸で違う。内容が記憶に残らないのだ。それなのに、つい手を出すのにはなぜかと考えざるを得ない。読みたい本は山ほどあるのに、またどうでもよい本に手を出してしまった。身銭を切って買った本でないことだけが慰めだ。

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