「イチロー・4000本への道」@NHK

"失敗"と"屈辱"を、身体に刻み込む

“失敗”と”屈辱”を、身体に刻み込む(NHK)

 

背景はマンハッタン

背景はマンハッタン(同)

 

遙か理想への道に、近道はない

遙か理想への道に、近道はない(同)

 

 

コンスタントな練習

40歳となったイチロー(同)

 

NHKのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見た。メジャーリーガー・イチローへの独占インタビュー「イチロー・4000本への道」だ(12月16日)。

一流といわれる人物は、自分の仕事と生き方に確固とした「流儀」を持っているものだ。しかし、イチローほど自分の形に執拗に拘る人間も珍しいのではないかと思う。形は重要だが、なかなか目に見えるような形を確立することは難しい。それを造り上げたイチローはやはり並みの男ではない。

人生は失敗の連続だ。もがき続けた失敗の積み重ねの中からまれに形のある成功も頭をもたげる。しかし、そのつかの間の成功を実現した自分を支えるものこそ、それまでに積み重ねてきた失敗であることを知れば、もう失敗を犯すことは怖くない。

その失敗を愚直に積み重ねていけば、いずれは成功の女神が一瞬であろうとも、顔を見せてくれることは確実だからだ。難しいのは失敗を愚直に重ね続けることがなかなかできないということだ。どうしても途中でめげて継続することをあきらめてしまうことがほとんどだからだ。

イチローの話には共感する言葉も散らばっていた。メモを取らなかったので、以下番組紹介サイトから引き写させてもらった。

”失敗”と”屈辱”を、身体に刻み込む

4000のヒットを打つには、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよ。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思います。失敗を自分の中に刻み込んで行く行為、その中で出して行く結果。それを重ねて行く。今まで自分を支えてきたものというのは、よい結果ではないんです。それなりの屈辱によって、自分を支えてきたんです。

はるか理想への道に、近道はない

20年、トータルで毎日プレイするようになってから、言えることは、打撃の技術に最終的な形はないということです。これが残酷なところなんです、打つということの。だから前に進もうとする意欲も生まれてくるとも言えるんですけど。時に技術は後退することもあります。本当は後退したくない。ずっと前に進んでいきたい。でも、なかなかそうはいかないんです。はっきりしているのは、近道はないということです。ある自分のぼんやりとした理想に近づくいちばんの方法は、遠回りをすることだと、今ははっきり言えます。

40歳となったイチロー

朝、着て出かけたプレスのしっかり効いたシャツが、仕事をして、家に帰る頃には、ちょっとくたびれた感じが、いいじゃないですか。帰ってきた旦那さんを見て、奥さんがちょっとほろっとしたり、そういうことってあると思うんですよね。それが表情じゃないですか。そういう風味が、出て来たらいいなあというふうに思ってるんです。だから年齢を認めつつ、前に進む。「僕もオジさんだからさ」って言いながら、でもちょっと胸にふつふつと持っている。そんなスタンスがいいかなと思いますね。

 

 

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