大田区加工技術展示商談会で3Dプリンターと対面

大田区産業プラザ(展示場、会議室、経営・技術機能を備えた産業支援施設)

大田区産業プラザ(展示場、会議室、経営・技術機能を備えた産業支援施設)

 

3Dプリンターを調べている。調べると調べるほどよく分からない。全くの無知識だったところから始めたのはいいものの、奥が深い。3Dプリンターは高度な業務用工作機械だと思っていたら、最近、話題に取り上げられているものはほとんどがパーソナルプリンターであるからだ。

とにかく、まだきちんとその整理がされていない。全体像を理解できるテキストがない。技術自体は20年ほど前から存在したものの、「3Dプリンター」と呼ばれ出したのは最近。2013年が「3Dプリンター元年」と呼ばれるくらいだ。

調べれば調べるほど、訳が分からなくなるのだ。これにはまいった。ハイエンドの高級機と個人が使うパーソナル機とがごっちゃになっている。全体像がつかめないから余計イライラする。

何か手掛かりがないかとあがいていると、ちょうどこの日、「第7回大田区加工技術展示商談会」が東京都大田区産業プラザで開催されており、一般でも入れることが分かったので出掛けた。加工技術展なので、「空振り」覚悟だった。

東京大田区は約4000の町工場が集まる中小企業のまち。従業員数が3人以下の工場が約50%、9人以下なら約82%を占める。日本のモノづくり技術を考える場合、大阪府東大阪市と並んで外せない地域だ。

とりわけ機械金属工業が区内の80%以上を占め、切削、プレス、成型、研磨、金型製造などの基盤技術に特化した企業群が集積している。製品というより、これらプロフェッショナル企業集団を「大田ブランド」と称しているくらいだ。

その拠点施設が大田産業プラザ(愛称PiO=Plaza industry Ota)だ。商談会はその大展示ホールで開かれている。区内の「加工技術」企業が集まっていた。

左手のホールを入れば会場

左手のホールを入れば会場

 

技術分野は技術分野プレス、機械組み立て、鋳造、金型、電機組み立て、核種試作開発、ゴム成形、機械要素部品加工、難削財加工、樹脂成形、溶接、微細加工、塗装・表面処理、製缶、その他加工、熱処理、鍛造。

会場を回ったが、やはり何が何だか分からなかった。専門的すぎて、自分の中に引っ掛からないのだ。何か引っ掛かるものがあれば、それをきっかけにまだしも想像力をかき立てられるものだが、手掛かりすらないのではお手上げだ。

日本製3Dプリンター「DS.1000」

日本製3Dプリンター「DS.1000」

ほとんどあきらめかけていたところに、目に飛び込んできたのがこれだ。「日本製3Dプリンター」と銘打たれている。開発したのは金属加工による雑貨の企画販売を行っているスマイルリンク(大田区下丸子)とソフトウエア開発のディビジョン・エンジニアリング(横浜市)。

日本製ではあるものの、ベースになっているのは英バース大学のエイドリアン・ボイヤー氏が創設したオープンソース(公開仕様)の3Dプリンター開発プロジェクト「RepRapプロジェクト」。安価な3Dプリンターはすべてこれの派生だという。

「DS.1000」もそうで、RepRapの仕組みを元に作られ、2013年10月に発売された。RepRapはReplicating Rapid Prototyperの略。日本製としてはホットプロシード社の「Blade-1」が最初。

 

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