西条柿

八東特産「西条柿」

八東特産「西条柿」(新聞紙はドライアイスが包まれていた)

 

切ってみると丸で熟し柿だ

切ってみると丸で熟し柿だ

 

鳥取県の親戚から「西条柿」が届いた。広島県東広島市の「西条町」や愛媛県「西条市」にちなんで命名されたことは何とか推測できるが、鳥取県の「八東特産」だという。「八東」(「はっとう」と呼ぶ)と聞いても何も浮かばない。

恐らく、地元の人や関係者には周知のことだろうが、「西条柿」の存在を知らない人や「八東」の地名も聞いたことのない人にとってはちんぷんかんぷんで、何が何だか分からないに違いない。

果物の中でも柿の歴史は古く、奈良時代に遡る。西条柿も16世紀半ば、毛利氏と尼子氏の覇権争いが行われていたころ、既に干し柿として加工され、武士の保存食料として珍重されていたという。中国地方を中心に作られており、島根、広島、鳥取が大産地らしい。

それにしても、面白い形をしている。丸長い独特な姿で、側部に4条の溝がある。御所柿や富有柿、次郎柿などは知っているが、こんな形の柿は知らなかった。しかも渋柿だ。

それなのに、渋抜きをすることで、甘柿よりも一段と優れた甘みを実現しているというから面白い。しかも、昔の渋抜きは焼酎を使ったりしていたが、西条柿はドライアイスで渋抜きしている。

送られてきた箱の中に「西条柿の食べ方処方箋」が入っていた。「収穫後すぐにドライアイスで72時間の渋抜きをしています。カラの茶袋か新聞紙がありましたら、それはドライアイスのぬけがらです。袋は、ほぼ密封状態ですから、開けると同時に酸素がはいり、10分以上たつと甘くなり、さあ!食べ時です」とあった。

不思議な柿だ。実際に切って食べてみたら、熟しすぎていたこともあるが、ものすごく甘かった。甘いことが柿のうまさと同義だとは思わないが、この甘さはかなり強烈ではある。

ちなみに「八東」は昔の町名。2005年3月に郡家、船岡、八東の3町が合併し、現在の八頭町(やずちょう)となっている。それでも、特産品には名前を残している。名産とはそういうものかもしれない。

 

 

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