試写会『ハーツ・アンド・マインズ』

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作品名:『ハーツ・アンド・マインズ』(ベトナム戦争の真実)
監督:ピーター・ディヴィス(ジャーナリスト、ドキュメンタリー映画作家)
1974年アメリカ映画/112分
第47回(1975年)アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞受賞
2015年4月1日@日本記者クラブ

 

1960年代に学生生活を送った人間には「ベトナム戦争」は格別な存在だ。どのような形で戦争に関与したかはともかく、時代の空気がベトナム戦争に色濃く反映していたことは紛れもない事実だからだ。

あの戦争が終わったのは1975年4月30日。北ベトナムと南ベトナム民族解放戦線による軍事攻勢でサイゴン(現ホーチミン)が陥落し、ベトナム共和国は崩壊。戦争は終結した。あれから40年。

ベトナムと宗主国フランスは1954年のジュネーブ協定で第1次インドシナ戦争に終止符を打った。しかし、この協定でベトナムは北緯17度線で南北に分断された。南ベトナムを支援した米国およびそれを支持した反共親米政権と、南の親米政権を打倒し、南北統一を達成しようとした北のベトナム民主共和国および南の南ベトナム解放民族戦線との間で戦われた戦争がベトナム戦争だ。

南ベトナム解放民族戦線は1960年に結成された。戦争は1975年の終結まで15年間にわたって続く。最高時には50万人を超える米軍が投入され、ベトナム側に戦死者120万人を含む300万人の犠牲者が出た。米軍の戦死者も5万8000人に上った。

この映画はアメリカ、ベトナム、大統領から庶民まで、賛成派、反対派、戦争を体験したあらゆる層の人々の証言を積み重ね、取材映像、ニュース・フィルム、戦意高揚映画の映像などを駆使して「ベトナム戦争」の実像に迫る。そして、戦争が「無意味」であることを浮かび上がらせる。

映画は戦争の最中の1974年に作られ、公開された。第47回(1975)アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞を受賞するなど大きな反響を呼び、戦争終結にも一役買ったと言われている。

監督はNBC、 ABC、CBSなどのテレビ局で数々のドキュメンタリー番組を製作してきたピーター・ディヴィス。米国では75年に一般公開され、2009年にリバイバル上映された。日本では1975年9月にテレビ放映されたあと、2010年6月に、東京都写真美術館で初の劇場公開が行われた。今回の劇場公開は「ベトナム戦争終結40周年を記念して」。

 

 

 

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