2020年までに「自動運転」実用化

 

自動運転ビジョンを紹介する池史彦日本自動車工業会会長

「自動運転ビジョン」を発表する池史彦日本自動車工業会会長

 

第44回東京モーターショー2015が東京ビッグサイトで開催中だ。既に2回行ったが、この日は「SMART MOBILITY CITY2015 」~自動運転は、クルマを、くらしを、社会をどう変えていくのか~と題した国際シンポジウムが開催された。

池史彦日本自動車工業会会長(本田技研工業会長)は、豊かなクルマ社会の実現のため、自動車業界が目指している「自動運転技術」の確立に向けた取り組みを「自動運転ビジョン」として発表した。

クルマ社会の課題は交通事故と渋滞。2014年の年間交通事故件数は57万件で死者数は4113人。経済的損失は推定年間6.3兆円だ。渋滞による損失時間は33.1億人時間、10兆円の経済損失と見込まれている。クルマの走行速度が30→15km/hでCO2排出は30%増加する。

また、社会構造が突き付ける課題として、①過疎化と高齢化による移動困難者問題②都市部での人口集中によるクルマ利用の利便性・快適性低下③労働力人口の減少による輸送事業の担い手不足④輸送物の小口化、多頻度化で運送事業への負荷増大-などを指摘した。

交通事故の90%は人的エラーが原因だという。自工会が打ち出したのは事故ゼロと渋滞ゼロだ。この目的を達成するための重要な役割を担うものとして「自動運転技術」を位置づけている。

自動運転技術で既に実用化が進んでいるのは予防安全や運転支援技術だ。とりわけ運転支援技術を高度化、知能化していくことが自動運転への突破口になる。

・衝突被害軽減ブレーキ
・速度/車間距離支援
・車線維持支援
・速度/車間/車線維持支援
・低速/渋滞追従
・駐車支援

クルマを知能化させることによって、以下のことが可能となる。

・自動レーンチェンジ
・自動分岐
・自動合流
・交差点通過(右左折)
・市街地走行
・自動駐車

自工会の考える「自動運転」に向けた展開シナリオは以下の通りだ。

・~2020年 自動運転技術の実用化、導入期
・~2030年 普及拡大、展開期
・~2050年 定着、成熟期

 

 

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