JA東京あおば第18回農業祭
今年もJA東京あおばの農業祭の季節がやってきた。おろし大根のからみもちと田舎まんじゅうが楽しみで、大体毎年散歩がてら楽しんでいる。今年は別件があって、初日の午前中1時間ほどのぞいただけだった。
JAも今年は大変だった。安倍政権から、環太平洋経済連携協定(TPP)参加を前提とした「攻めの農業」への転換を求められ、8月28日の参議院本会議で農協法改正法案が可決成立した。
これにより、「農業の成長産業化」の実現に向け、①家族経営から企業による経営②協同組合経営から株式会社経営-への転換を図る。従来の農業政策からの180度転換だ。
うまくいくかどうかは誰にも分からない。多分失敗し、そのツケは国民が背負い込むことになろう。いくら夢のような政策を立案し、法律で定めても、政策を担うのは生身の人間だ。しかも、これまで主体的に農業を担ってきた農協が取り組んできた政策を「全否定」して出来上がった法律だ。うまくいくはずがない。
しかし、これまでの農協が政治力を背景に長年にわたって自らの不作為にあぐらをかき、必要な改革を怠ってきたことが招いた結果だから、農協に多少の同情はするものの、改革は避けられない。
問題は改革を中途半端にしないことだが、これまでの改革が最後まで貫徹されたことは一度もなかったことを考えれば、今回も期待するほうが無理だ。ただ、期待はできないが、後戻りもできない。
そんなことはともかく、農業祭はいいものだ。市民にとって農業の恵みに感謝する絶好の場だ。農協の存在を意識する貴重な機会でもある。JAにとっても、自らの存在理由を知らしめるチャンスだ。スローガンにうたったように果たして、「地域になくてはならない存在」になれるかどうか。
大根の練馬か、練馬の大根かといわれるほど有名な練馬大根。区内で栽培されるようになったのは江戸・元禄時代かららしい。最近は急激な都市化で農地が減少し、姿を消しつつあるという。
練馬区では、貴重なブランドである「練馬大根」を絶やさないよう、平成元年(1989)から練馬大根育成事業を開始。増産に努めているという。事業に協力するつもりで練馬大根を1本買った。200円だった。
しかし、大根を持ったまま電車に乗るわけにもいかないので、駅のロッカーに預けた。300円だった。結局200円+300円=500円の高級大根になった。
JA東京あおばは板橋、練馬、石神井、大泉の4農協が1997年に合併して誕生した。板橋区、北区、豊島区、練馬区を管内に持つ。本店は練馬区高松。