琴奨菊関「自信を持って土俵に上がれる」

 

さすがに大きな琴奨菊関

さすがに大きな琴奨菊関

 

ゲスト:琴奨菊関
2016年2月16日@日本記者クラブ

 

初場所で初優勝を果たした琴奨菊関が会見した。相撲力士は口べたで、口数も少ないのが通り相場だが、この人は違った。サービス精神も旺盛で、何よりも論理明晰で表現力が豊かだった。

相撲も数あるプロスポーツの1つにすぎない。国技だと言われてきたものの、番付の上位はモンゴル勢が席巻し、今回も日本出身力士として10年ぶり優勝が強調された。

初優勝のフィーバーについては「予想を超える反応にとまどった」としながらも、「いまこそ大相撲を発信するチャンス」と受け止め、アピールする姿勢を見せた。相撲界がファンあっての存在で、ファンへのサービス抜きでは成り立たない立場にあることを認識した発言だった。

琴奨菊が大関になったのは11年九州場所。それから26場所目の優勝は、昭和以降の大関では最も遅い初優勝。ケガが多く、12年秋場所で左膝じん帯損傷、13年九州場所で右胸筋断裂の大ケガに見舞われた。

カド番も5回。その5度目のカド番で迎えた15年7月の名古屋場所が転機になった。12日目を終えて5勝7敗。満足に稽古ができないまま出場して結果が出ない苦境に、本人は「やめよう」と引退を考えていたという。そこで踏ん張れたのが場所前に結婚した祐未夫人の存在。生活面や心理面で大きな支えになった。

今場所は見違えるような強さを発揮したことについて、「世間が休むお正月に一番きつい稽古をして自信を持って土俵に上がれたこと」と答えた。「15日間の戦いは気力が大事。奧さんの支えと、師匠、トレーナー、毎日同じルーティンを続けさせてくれた若い衆のおかげ」と語った。トレーナーからは「今やっていることをやっていったら、チャンスが来るからこれまで通りでやること」とアドバイスを受けた。

3月場所には三代目若乃花以来18年ぶりの日本人横綱誕生への期待がかかる。

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