映画「葛根廟事件の証言」

 

あいさつする「興安街命日会」の大島満吉会長

 

映画「葛根廟事件の証言」日本記者クラブ上映会
葛根廟事件の生存者や遺族、関係者ら11組12人をインタビューしたドキュメンタリー
監督:田上龍一(たのうえ・りゅういち)
撮影:片山和雄(かたやま・かずお)/田上龍一
74分版@2017年5月完成、60分版@2017年3月完成
60分短縮版は第20回ゆふいん文化・記録映画祭で第10回「松川賞」受賞

 

 

葛根廟(かっこんびょう)事件とは昭和20年8月14日、旧満州(現中国東北部)の興安総省興安(内モンゴル自治区ウランホト)から避難していた日本人が、ラマ教寺院・葛根廟付近で旧ソ連軍の戦車隊に襲撃され、1000人以上が死亡した事件。避難中の一団は民間人で構成され、犠牲者の多くが女性と子どもだった。

葛根廟事件の生存者らが中心となって、事件の起こった8月14日、毎年目黒の天恩山五百羅漢寺に集まって慰霊祭を開き、犠牲者を供養している。「興安街命日会」を組織している。

戦前、興安に住んでいた大島肇(おおしま・はじめ)氏らの呼び掛けで昭和30年頃から集まるようになった。大島氏が亡くなってからは当時9歳だった次男の満吉氏が中心となって法要を執り行っている。

興安街命日会は2014年、「葛根廟事件の証言-草原の惨劇・平和への祈り」(新風書房)をまとめ、証言集として出版した。また、現地での慰霊法要も収めたドキュメンタリーを田上龍一氏が製作している。

終戦時の満州では開拓団がソ連軍の攻撃を受け、多雨の死者を出す事件が続発。父が軍官学校の教師だった藤原作弥氏元時事通信社記者(元日銀副総裁)は「一国の軍隊の攻撃によって無差別的に行われたジェノサイド」であると主張しているが、旧ソ連の歴史学者らは「事件をねつ造」とし、「神話」と否定している。

助かったのは100数十人とみられ、うち30人以上は中国残留孤児となった。

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