「フェイクニュースとPR報道にだまされないために」

 

講演する瀬川至朗教授(日比谷図書文化館)

 

元毎日新聞の記者で現在早稲田大学政治経済学術院の瀬川至朗教授は10月19日、千代田区立日比谷図書文化館で開かれた日比谷カレッジで、「フェイクニュースとPR報道にだまされないための基礎知識」と題して講演した。

フェイクニュースとは「政治目的やウェブサイトへのアクセスを増やすために、サイトから配信される偽情報やデマ。ソーシャルメディアによって拡散される間違った情報」(オーストラリアのマッコーリー英語辞典、2016年の言葉)。

またポストトゥールース(ポスト真実)とは「世論の形成において、客観的な事実よりも、感情や個人的な信条へのアピールが影響力を持つ状況」(英オックスフォード辞典、2016年の言葉)

瀬川教授はフェイクニュースは19世紀の大新聞王ピューリツアー氏のイエロージャーナリズムの時代にも「フェイク」という言葉が現れているとした上、情報の発信を市民が担い、加工も容易で断片化し、拡散のスピードも速い現代のような時代こそフェイクニュースには最も気を付けるべきであると指摘した。

その上で同教授はフェイクニュース対策として、①記事・情報の構造を知る②ニュース発信の仕組みを知る③メディア報道の歴史に学ぶ-など、だまされないためのメディア・リテラシー(ニュース・リテラシー)を養う必要があるとの認識を示した。

具体的には記事・情報を見極めるためのチェックリストとして、①掲載されているメディアサイトはどのようなものか②発信されている内容は具体的か③発信者を信用できるか④情報源は信用できるか⑤記事・情報にはどのようなエビデンス(根拠)が示されているか。またそのエビデンスは信用できるか⑤記事・情報が扱っている内容について、別の説明の仕方や理解の仕方はあるか-などを挙げた。

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