烏の濡れ羽色

 

烏の代わりにトンボで失礼します。これは濡れ羽色か

 

お金がないとどうしても安価なQBカットに行ってしまう。通常の3700円に行き、ヒゲを当たってもらうのは最高だが、懐具合が悪く、つい1000円の魅力に負けてしまう。QBカットを展開しているのはキュービーネット。理容業でも美容業でもなく、髪をカットするだけのサービス業だそうだ。それも10分でできることを提案する時間産業でもある。

前回に行ってから1カ月半。歳をとっても髪は伸びるので厄介だ。ただ髪は細くなる一方で、60代後半になると1カ月半に一度。昔は1カ月以上伸ばすとダメだった。ヒゲも白くなり、どうにもならない。

前客が6人ほどいた。「日本全国530店舗 国内月間150万人を超える。海外店舗はシンガポールや香港、ニューヨークを含め117店舗達成」と書かれた広告を見ながら待っていた。

この日は女性のカットレーディー。「髪も白くなって・・」などとぼやいたら、「昔は上役から(自分の髪が)『カラスの濡れ羽』だねえなどと言われた」と返してきた。

正直言って、「濡羽色」(ぬればいろ)という言葉を知らなかった。ずっと気になっていて、検索したら、「カラスの羽のような艶のある黒色」をさすことを知った。万葉集の時代の言葉もどうやら死語に近い。

女性の黒く艶やかな髪の毛は「烏の濡れ羽色」と言われたようだが、今は「ぬれば」と検索すると、「濡れ場」のほうが出てくる。「濡れ羽」は出てこない。それが現実だ。

烏と言えば真っ黒のイメージだが、よく見ると、その羽は青や紫、緑などの光沢を帯びて見える。羽毛の表面にわずかに構造色を持つためだ。健康的な女性の髪も水や髪油を含むことで、わずかな干渉色を浮かべた「烏のような濡れ羽色」のような美しい髪になるという。

昔のように真っ黒い、艶やかな髪の毛を美しいと思う人はどうも少なくなってきているようだ。いろんな色で髪を染めたり、ヒゲを生やしたり、自由自在だ。そんなこんなで白毛もあまり気にならない?いやはや気になります。

 

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