30年後の同窓会

 

 

作品名:30年後の同窓会(原題Last Flag Flying)
監督:リチャード・リンクレイター
脚本・原作:ダリル・ボニックサン
キャスト:ドク(スティーヴ・カレル)
サル(ブライアン・クランストン)
ミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)
2017年アメリカ映画/125分
2018年11月22日@飯田橋ギンレイホール

 

「男ひとりでバーを営むサルと過去を捨て牧師となったミューラーの元に、30年間音信不通だった級友のドクが突然現れ、2日前に戦死の報せが届いた息子を故郷に連れ帰る旅に誘う。

ベトナム帰還兵3人の男たちの友情と人生の輝きを取り戻していく旅を描いたロードムービー!」(ギンレイ通信vol.204)

 

 

 

トランプ米大統領にはあきれるが、米軍隊にはある種尊敬するような威厳がある。米国民1人を大切にし、その1人を救出するために軍を派遣する。日本ならば、腰が引けて何もできないのが普通なだけに、米軍の立派さには敬服するものがある。

上等兵だろうと国の尊厳のために死んだ兵士には手厚く報い、最大限の敬意を払うのだ。遺体を一時収容しているドーバー空軍基地のシーンもそうだが、ラストのドクの郷里・ポーツマス(ニューハンプシャー州)での息子の埋葬シーンも最大限の敬意を表している。

棺の上の星条旗の折り方を丁寧に見せてくれる。あの星条旗の折り方はアメリカ人にとって厳粛で特別な儀式性を持ったもののようだ。

リンクレイター監督は2003年12月を30年前に設定している。米軍がサダム・フセインを捕まえた年だ。「あの時代に設定しようと考えたのは、誰もがあの瞬間なら覚えているかもしれないと思ったからだ」と語っている。

イラク戦争の30年前は彼らが戦ったベトナム戦争。エンドロールに流れるのはアメリカ音楽界の大御所ボブ・ディランの「Not Dark Yet」。ボブ・ディランがベトナムとイラクの2つの戦争を橋渡ししている。

『30年後の同窓会』(Last Flag Flying)のパンフレットによると、米国旗はたたむごとに意味が込められている。米合衆国のために立派に戦った男たちや女たちを偲びながら、祖国のために尊い犠牲を払った者への思いがたたまれていく。

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