庭先に咲いた朝顔「織姫」と「曜白」(ようじろ)の二種
知人からもらって5月に植えた朝顔が今朝初めて咲いた。花弁の中央から放射線上の白いスジが伸びた系統で、「曜白」(ようじろ)と呼ぶ。「サカタのタネ」から発売されたことにより広く一般に普及している。
朝顔は高温と強い日差しでグングンと生育するのが特徴だ。日当たりと風通しのよい場所を好み、梅雨寒のときは生育が止まったようにもなるが、とにかく気温上昇を待つしかない。栽培期間も長いので月に一度定期的に化成肥料を追肥する。
朝顔は別名「牽牛」(けんぎゅう)ともいわれる。これは朝顔の種が薬として非常に高価で珍重されたことから、贈答された者は牛を引いて御礼をしたとの謂われがある。
朝顔は奈良時代末期に中国から遣唐使が種を薬として持ち帰ったものが最初だ。平安時代だったという説もある。種の芽になる部分には下剤の作用がある成分がたくさん含まれており、漢名では「牽牛子」(けにごし、けんごし)と呼ばれ、奈良時代、平安時代には薬用植物として扱われていた。
万葉集などで「朝顔」と呼ばれているものは、キキョウあるいはムクゲを指しているとされる。
朝顔には厳密にはアサガオ(牽牛)と、朝に咲く花一般としての「朝顔」が区別されるが、平安時代ではまだそれが別々の花として認知されていたと思われる。江戸時代は草花の品種改良が盛んに行われた、新種が生まれる中で、空前のアサガオブームを引き起こした。
ブームの発端は、文化3年(1806年)の江戸の下谷・御徒町村付近の植木職人が珍しいアサガオを咲かせたことによる。下級武士の御徒が内職の1つとして組屋敷の庭を利用してアサガオ栽培をするようにもなった。
こうした中で、「変化アサガオ」も生まれている・トランスポゾンという「動く遺伝子」によって、突然変異を起こしたアサガオ。