西宮神社「10日えびす」

 西宮神社(西宮市社家町1-17)の「10日えびす」にお参りした。年の始めに商売繁盛を祈願するお祭りだ。9日が宵えびす、10日は本えびす、11日は残り福と呼ばれる。3日間にわたる神事だ。

 毎年、10日午前6時に表大門が開かれ、参拝者が本殿まで走り参りを行い、到着順に1番から3番までを「福男」として認証するイベントは絵になることもあってか、今や10日のテレビではおなじみだ。9日夜勤だったので見物に行こうかと思ったが、眠くて断念した。

 その代わり、何事も”現場”を見る必要があるとの理屈を付けて10日午後、お参りした。とにかく大変な人だった。第1殿で「えびす大神」をお祭りしており、ここ西宮神社は全国に3500もあるえびす神社の総本山だという。専門用語では「えびす宮総本社」というようだ。

 「えびす」は蛭子、夷、戎、恵比寿とも書かれ、平かなでえびす、カタカナでエビスとも書かれる。釣りざおを持ち、大きな鯛を抱えた「えびす様」は7福神信仰によって福の神の代表に就任。大漁をもたらす神として漁民に信仰され、商売の神としても信仰を集めている。「招福マグロ」も見物である。

 創建の年代は分かっていないが、平安時代には「えびす」の名前が古文書などに記されているとか。関東にもえびす神社はあるが、「10日えびす」の祭礼が行われていると聞いたことはない。商売繁盛を祈願するという意味では「酉の市」に似ている。

 阪神西宮駅から徒歩5分。とにかく境内はうっそうとしており広大。約1万3000坪。甲子園球場がすっぽり入る広さだ。都会に残る緑の宝庫だ。「えべっさん」の期間、境内には多くの露天が店を出していたが、「お化け屋敷」まであるのには驚いた。

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