I’M NOT THERE


 我ながら耄碌したことを改めて痛感した。観たいとか行きたいと思ったら、セーブがなかなか掛からないタイプ。他にどうしてもという予定がなければ、予定を入れてしまう。観たい映画を予定に入れたつもりだったが、上映が始まるまで、観たいのとは違う作品であることに気付かなかった。若いうちならまず起こりそうもないことが60に近づいてくると起こるなんて。自分でも理解できない。手抜かり・・・。悲嘆、落胆、慨嘆・・・・・。

 トッド・ヘインズ監督作「アイム・ノット・ゼア」。吟遊詩人、ボブ・ディランの人生を6人の俳優が演じ分ける音楽ドラマ映画。ボブ・ディランは1962年にデビュー。ビートルズと並んで、1960年代を牽引した。今も音楽シーンの第一線で活躍している偉大な存在だ。

 ボブ・ディランの名前も作品ももちろん、ある程度は知っているものの、正直言えば、彼が今も現役であることは知らなかった。音楽そのものに対する好奇心がかつてに比べ、劇的に低下していることを認める。

 この作品については事前知識が全くなかった。映画を観ながら、実は理解できないことばかりだった。こうやって、パンフレットを読んでみて初めて分かったことばかり。どこかの時点でゆったりと彼の作品を聴くようなときがいずれ来るのだろうか。

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