There Will Be Blood

 本当に観たかったのは実はこれ。ポール・トーマス・アンダーソン脚本・監督、ダニエル・デイ=ルイス主演。2007年12月に公開され、ルイスはこの作品で2008年度の第80回アカデミー賞主演男優賞を受賞した。

 20世紀初頭の米カリフォルニアで始まった石油採掘ラッシュ。石油は、欲望という名の黒い血だった。一攫千金を夢見る山師ダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)は一匹狼の鉱山労働者として鉱山や石油の採掘を行い、見事石油を掘り当てる。しかし、欲望のモンスターと化した彼は次第に破滅への道を辿り始める。

 アンダーソン監督がこの作品の映画化を思い立ったのはロンドンの書店でアプトン・シンクレアによる小説『石油!』(1929年)と出会ったのがきっかけ。『石油!』は20世紀初頭に実在した石油王エドワード・ドヒニーをモデルに描いた作品。

 原油価格が1バレル=120ドルを突破した今、石油問題を原点から考えてみるために、格好の作品ではないかと思った。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.