刀田山「鶴林寺」

 「播磨の法隆寺」とも呼ばれる名刹(兵庫県加古川市加古川町北在家)。物部氏ら排仏派の迫害を恐れてこの地に身を隠していた高句麗の僧、恵便法師を訪ね、教えを受けた聖徳太子が創建したのが始まり。

 寺号を「鶴林寺(かくりんじ)」と改めたのは天永3年(1112年)。鶴林寺は太子信仰の高まりを受けて、鎌倉時代、室町時代に全盛期を迎えたが、戦国時代には信長、秀吉らの弾圧、江戸幕府の宗教政策のため衰微したが、庶民の信仰は厚く、今なお安らぎの場を提供している。

本堂(1397年)   国宝。和様、大仏様、禅宗様に折衷様式の代表作。本尊は薬師如来。
太子堂(1112年)  国宝。宝珠をいただいた桧皮葺きの県下最古の建築。現在、修復工
             事中で、中に入ることはできなかった。
金銅聖観音像(白鳳時代) 重文。 

 加古川市の中心部に位置している。法隆寺とは比べ物にはならないが、それでも寺としては結構な広さだ。鐘楼(1407年)も重文。立派な三重塔も建っていた。宝物館で鶴林寺を紹介した五木寛之氏『百寺巡礼』のビデオを見た。雨の降る中、しっとりとした趣があって良かった。
①本堂


②太子堂(修復中)

③三重塔

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