平和記念展

 新宿駅西口広場のイベントコーナーを通り掛ったら、人だかりがしていた。何だと思ったら、「平成21年度平和記念展」。新宿住友ビル48階の「平和記念展示資料館」が出張している風だった。まもなく終戦記念日。戦争の過酷さを思う。

 夜、NHKスペシャルで「特攻」を観た。終戦直前、日本軍が採用した特攻作戦。戦後、開催された海軍反省会で「万が一にも生への余地があるのが作戦だ。生き残る可能性ゼロの体当たり突撃である特攻は作戦ではない」との指摘は重い。

 なぜ海軍軍令部が特攻作戦を立案したのか。そしてそれがどのように実行に移されていったかを番組は検証していた。当時の追い詰められた戦況がそれを産み、明確な反対を表明できない雰囲気のうちに、実行され、終戦までやめられることがなかった。取材デスクはそれを「やまし沈黙」と呼んでいた。

 個人の意思が働かない状況。心の中では特攻に反対していても、誰もはっきり口に出して言えない状態。時間だけが経っていく。組織的行動の怖さである。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

東京日誌Ⅱ

Previous article

いちじく
読書

Next article

『天使たちの探偵』