早朝起床考

 早朝起床に取り組んでいる。もう何年も続けている。何十年も続けている。早朝起床を続けているのではなくて、早朝起床する取り組みを続けているのだ。つまり、早朝起床を常に目標に掲げ、ほぼ毎日実践に取り組んでいるものの、今だ完全には定着していないことを告白しているのである。

 考えてみれば、早朝起床に取り組み始めたのは何十年前だろうか。「ナポレオン睡眠」がはやったころだから、30年ほど前か。3時間睡眠で活動するのである。「ハードワーク、ハードプレイ」を標榜し、人生を謳歌するのが目的だった。1日を有意義に目一杯活動したかった。夢は無限に広がった。

 志や良しである。気持ちは分かる。1日24時間は万人に平等だ。成り上がっていくためには時間を味方に付けるしかないのは猿でも分かる。あれもこれもやりたいし、時間さえあれば、何でもできる。できるように思える。少なくても、ハウツー本を読めば、それだけで、実現可能のように錯覚できた。

 今や、もう、ハウツー本を読んだだけで、実現できるとは思わないが、それでも睡眠に対する関心は強い。この記事も『朝型人間の奥義』(税所弘著、講談社+α新書)をペラペラめくりながら書いている。早起きの効能を十分分かりながら、なぜ、早起きできないかを改めて考えてみる。

 過去30年の取り組みの中で分かったのは、早起きで重要なのは「起床時間を一定にすること」。就寝時間は一定でなくても、起きる時刻は一定にすること。「定時起床」。前夜、どんなに遅く寝ても、起きる時間は変えないこと。これが重要だ。

 もうひとつは目覚めたときに「ガバ起き」をすること。ガバッと起き上がることが重要なポイントだ。「あと1分」などと思わないことだ。そう思ったら、十中八九、そのまま寝てしまう。目覚めるのは1時間30分後だ。ガバ起きは心臓には良くないので、文字通りガバッと起きなくてもよいが、二度寝をしないことが決め手だ。

 しかし、これが結構難しいのである。つい、ついそのまま、また目を閉じてしまうのだ。それの繰り返しと言ってもよい。そんなものである。しかし、失敗しても、それを継続することだ。「あと1分」と考えている思考そのものを中断するのが有効である。

 「早起きが身体と心に永久記憶され、しっかりと身につくまでは100日が必要」(税所氏)だというが、個人的にはもっと掛かると思う。自分が失敗の連続だから、一番よく分かる。昔、禁煙したときと同じだ。何度も何度も禁煙した。それが続かないのだ。悲しくなるほど続かなかった。100度くらいトライした。

 それが、100度目くらいで成功した。しかも、そのときは簡単に成功した。問題は失敗しても、失敗しても、しぶとく続けることなのだろう。そのうちに、ふっとうまくいくものである。不思議なことだが、そういうものだ。喫煙は薬物中毒である。血中のニコチン濃度が低下するときは苦しい。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

東京日誌Ⅱ

Previous article

最低血圧対策
東京日誌Ⅱ

Next article

庭のユリ