東大安田講堂

 秋たけなわ。秋の象徴はもみじだが、なぜか、もみじは意外と街中には少ない。少ないというよりも、ほとんど見掛けない。確実に見られるのはお寺だろう。公園も真っ赤に色づいたもみじより、圧倒的に黄色系統に染まっている。堂山つつじの紅葉も悪くはないが、本来のもみじには敵わない。黄葉の王者はイチョウである。

 ポカポカ陽気の昼下がり、東大の構内でイチョウを眺めた。正門から安田講堂に続く300mほどの両サイドはイチョウの大木が並木を作っている。その先に講堂が太陽に輝いて屹立している。講堂の下あたりにある中央食堂でとろろそばを食べたあと、ゆっくりイチョウを眺めた。


                  (正門から安田講堂に続くイチョウ並木)

 構内には至るところにイチョウの大木が立ち並び、黄金色を放っている。大学のキャンパスというシチュエーションとよくマッチし、眺めていてあきない。今や東大キャンパスは都内でも一大観光スポット。「土日は多いですね。ほとんどが学外からの人ですよ」と警備員氏。


                  (農学部の大イチョウ)

 本部キャンパスに隣接した農学部の弥生講堂・一条ホールで、公開セミナーを聴講した。生物情報を活用した新しい農学研究の成果として、「ゲノム育種によりトラフグの優良品種作出をめざす」(付属水産実験所、鈴木譲教授)と「植物の環境ストレス応答機構の解明と分子育種への応用」(応用生命化学専攻、篠崎和子教授)。たまには、自分と全く無関係な世界をのぞくのも悪くはない。

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